お墓の一般的な大きさは?墓地・墓石のサイズや単位を解説

お墓の一般的な大きさは?墓地・墓石のサイズや単位を解説

お墓を建てることを考えたとき、一つ気になるのはお墓の大きさです。
墓石や区画が周りのお墓より大きすぎたり小さすぎたりして、目立ってしまうことが気になる方もいるかもしれません。
あるいは、お墓に納骨できる人数が気になるかもしれません。

この記事では、一般的なお墓の大きさについて解説します。

墓地の区画の平均的な広さはどれくらい?

お墓の大きさ-2.5㎡
2.5㎡の墓所に建てられた和型と洋型のお墓

ここでは、「お墓さがし」で受け付けている一般墓の区画面積から、平均的な墓地の広さについてみていきます。(全国の一般墓がある墓地・霊園3588件、一般墓の区画10446種類から調査。2022/8/18現在。)

一般墓の区画面積について、平均値は2.44㎡、中央値は1.57㎡でした。

しかし、区画の広さは地域やそれぞれの霊園によって千差万別です。
実際にはどれくらいの広さの区画が多いのでしょうか。

全国的には2㎡未満の区画が多い

区画面積を1㎡刻みで見ていくと、1㎡以上2㎡未満が29.6%と最も多く、次いで1㎡が27.4%と2番目に多いという結果になりました。
2㎡未満の区画が全体の半分以上を占めることが分かります。

墓所の広さグラフ
※「お墓さがし」で受け付けている一般墓の区画10446種類から調査。2022/8/18現在。
1㎡弱の和型のお墓
1㎡弱の和型のお墓

都市部で狭く、地方では広くなる傾向

0.36㎡のお墓
都市部にある0.36㎡のお墓

墓地の区画面積は、都市部に行くほど狭くなる傾向があります。
今回の調査では、東京都の区画面積の平均値が1.07㎡、中央値が0.81㎡と共に全国で最小という結果になり、その傾向が典型的に表れています。
また、東京都の他、神奈川県や埼玉県、愛知県、大阪府、京都府など、大きな都市を抱えている府県も、一般墓の区画面積で全国の中央値・平均値を下回りました。

地方別には区画面積の平均値は以下のようになり、やはり大都市を多く抱える関東地方や近畿地方が、小さくなる傾向が見えます。

各地方にある一般墓の区画面積の平均値
北海道 5.54㎡
東北 4.83㎡
関東 1.77㎡
中部 3.16㎡
近畿 1.92㎡
中国・四国 3.06㎡
九州・沖縄 3.27㎡

※「お墓さがし」で受け付けている一般墓の区画10446種類から調査。2022/8/18現在。

公営霊園は区画が広い傾向

都立 谷中霊園の画像1
東京23区でも広々とした区画がある都立谷中霊園

墓地の種類別に考えると、公営霊園は1区画の面積が広い傾向にあります。
墓地の種類別の平均値は、以下のようになりました。

墓地の種類別にみた一般墓の区画面積の平均値
公営霊園 4.92㎡
寺院墓地 1.63㎡
民営霊園 2.10㎡
共同墓地 1.96㎡

※「お墓さがし」で受け付けている一般墓の区画10446種類から調査。2022/8/18現在。

区画の広さの単位(聖地・霊地)

墓地の区画を表す単位は、昨今では「㎡」が一般的です。
一方で、たまに「聖地」または「霊地」「坪」などの表記を用いる墓地もあります。

「1聖地」は、約0.81㎡です。これは半畳ほどの大きさです。
3尺×3尺の広さで、墓地の区画で「1坪」と言った場合も、同様の広さです。

「1霊地」は、約0.81㎡を指すときと、1㎡を指すことがあります。
墓地によって違う使い方がされているので、気になる霊園で「霊地」の表記を見たら、寸法を確認することをおすすめします。

区画の最小面積は?

区画の広さについては法律などに規定があるわけではないため、制度上はどこまでも小さくし得ます。
実際に当サイトで掲載中の、一般墓を建てられる最小の区画は0.08㎡でした。

なお、最大の区画は、「秩父市営 秩父聖地公園やすらぎの丘」にある、32.0㎡でした。

墓石の平均的な大きさはどれくらい?

墓石の平均的な大きさについて解説します。

和型墓石のサイズと単位(寸・尺)

和型墓石のサイズは、「寸」または「尺」で表します。
「1寸」は約3.03cm、「1尺」は10寸と同じ長さで、約30.3cmです。

和型墓石の一般的なサイズは、「8寸角」「9寸角」「尺角」の3種類があります。
それぞれ、棹石(「○○家之墓」などと彫刻する石)の横の寸法のサイズです。
「8寸角」なら約24.2cm、「9寸角」なら約27.3cm、「尺角」なら約30.3cmです。

どのサイズでお墓を建てるかは地域や霊園、石材店などによっても異なります。
なお、棹石以外の墓石は、棹石のサイズに比例し、墓所を囲う「外柵」は、墓所の広さに応じて大きくなります。

洋型墓石のサイズと単位(号)

洋型墓石は、横長の墓石を設置する西洋風の墓石です。
洋型墓石のサイズは「cm」または「号」で表します。これも棹石の横の長さです。
「号」は「寸」と同じで、約3.03cmです。
例えば、「20号」の洋型墓石であれば、棹石の横の長さが約60.6cmのお墓です。

洋型墓石には決まったサイズがないので、区画の広さに合わせて柔軟に変えることができます。
特に狭い区画に対応しやすい形式で、小さく設計することもできます。

文字や絵柄の大きさは自由

墓石に彫刻する文字や絵柄の大きさも、決まりはありません。
ご自身の趣向に合わせて、石材店と相談してください。

なお、決まりが無い分、コミュニケーションの食い違いが起きやすい点に注意が必要です。
余白感なども確かめるため、文字や絵柄の大きさは図面で確認させてもらいましょう。

「普通の大きさのお墓」を知るには

お墓を建てるにあたって、周りにあるお墓より見劣りしたり、または目立ちすぎたりしたくないと考えているなら、実際に希望する地域の墓地にいくつか足を運んだり、資料を見てみることをおすすめします。

墓地や霊園の雰囲気も含め、どんなお墓が「普通」なのかは、地域によって異なります。
例えば、東京23区内では0.5㎡未満の極めて小さな区画も一般的ですが、逆に2㎡以上の区画は珍しい部類に入ります。
一方、特に公営墓地が墓地の供給を支える地方では、4㎡以上の区画が一般的な場合もあります。

その地域での普通のお墓を知るには、実際に希望エリアにある墓地や霊園を調べてみることが一番の近道です。

希望エリアの墓地・霊園を見てみる >>

カロート(納骨室)の大きさとお墓に入れる人数

一般的には、6名程度を納骨できるように設計されるお墓が多いようです。
ただし、当然お墓のサイズによって納骨できる人数は変わります。特に、都市部の小さな区画を検討している方はご注意ください。

お墓に入れる人数は、ご遺骨を納骨するカロートに、物理的に骨壺がいくつ入るかで決まります。
骨壺の標準的なサイズは、関東で7寸(直径約21cm)、関西で5寸(直径約15cm)です。
関東の7寸壺で考えると、1㎡の区画であれば4体程度が目安です。0.36㎡などの極めて小さな区画であれば、1~2体が目安です。
加えて、カロート内に棚を設置して2段にすれば、その倍の数を入れることができます。

なお、カロートがいっぱいになってしまった場合も、古い骨壺からまとめたり、カロート内の土が露出している部分(息抜き穴)に埋葬するなど、通常は何らかの形で対応できます。

お墓のサイズはどう決める?

それでは、実際にお墓のサイズはどのように決めていけばいいのでしょうか。
お墓のサイズの決め方の例としては、以下のようなものが考えられます。

お墓のサイズの考え方

  • 霊園と区画の位置で決める
  • 費用や値段で決める
  • お墓のデザインで決める
  • 納骨したい人数で決める
  • お墓のお世話のしやすさで決める

霊園と区画の位置で決める

まずは、墓地や霊園を先に決めて、そこの中から区画を決めるという考え方です。
墓地や霊園を決めると区画の広さも自ずと限定され、その中でも平均的な広さの区画を絞ることができます。
また、霊園内でも、陽当たりが良い、入口から近い、段差を使わずに行ける、などの区画の位置も絞っていくことで、広さも自ずと絞られていきます。

周りのお墓との見た目の差を気にしたくないという方は、建てられるお墓の形が決まっている「規格墓所」もおすすめです。

費用や値段で決める

お墓の費用は、お墓が広く大きいほど高くなります。
予算と相談して、お墓の大きさを決めるという方法もあります。

お墓の費用は大きく永代使用料石材工事費に分けることができます。
永代使用料とは、墓地の契約にかかる費用です。契約した区画を、代が続く限り使用できる権利料です。
石材工事費は、墓石とその工事にかかる費用です。

墓所の広さに比例して、永代使用料は高くなります。また、通常は墓所が広ければ使用する石材の量も増えるので、墓石の値段も高くなります。

お墓のデザインで決める

希望するお墓のデザインに応じて、必要な広さの区画を契約するという方法もあります。

例えば、墓所を囲う外柵を付けたい場合、墓所の広さは0.81㎡以上は必要になるでしょう。
加えて、参道を付けたい、灯篭を建てたい、低木を植えたい、という場合はもっと広い区画が必要です。
独創的なデザインのお墓を作りたい方は、実際に霊園に足を運んで、お墓のサイズ規定なども聞いておく必要があります。

納骨したい人数で決める

大人数を納骨したい場合は、大きなカロート(納骨室)が必要です。
広い区画を契約して広いカロートを作るか、あるいは、カロート内部に棚を設置して二段にするなどの工夫が必要です。

一方、夫婦のみなど少人数で使用する場合は、0.5㎡以下の小さな区画でも対応できることがあります。

お墓のお世話のしやすさで決める

大きいお墓は、掃除やお世話も大変です。
墓石を拭く面積が増えるほか、植栽がある場合はその手入れも必要です。
雑草が生えてくるようであれば、その駆除は墓所が広いほど大変です。
今後のお世話のことも考えながら、お墓を選ぶと良いでしょう。

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お墓さがしでは、全国にある樹木葬、納骨堂、永代供養墓、墓石のお墓を建てられる霊園などを掲載しています。
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執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。

お墓の大きさに関するよくある質問