墓石なしのお墓ってあり?納骨先の種類や費用を解説!

墓石なしのお墓ってあり?納骨先の種類や費用を解説!

現代になってお墓の形が多様化する中で、墓石を建てないお墓も増えてきています。

今回の記事では、墓石のないお墓にはどのようなものがあるか、墓石を建てないことのメリットやデメリットを紹介していきます。

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墓石なしのお墓の種類

墓石を建てないお墓を種類ごとに解説します。

墓石のない永代供養墓に納骨する

費用相場と収容人数
購入費用:30~100万円程度
年間管理費:なし~5千円程度
収容人数:1~5体程度/1区画

永代供養墓とは、お寺などの墓地管理者が遺骨の供養やお墓の管理をしてくれる「永代供養」を取り入れたお墓です。
永代供養墓には、個別に墓石を建てないものも存在します。

例えば、富士見メモリアルガーデンの永代供養墓「彩雲」のような、屋外に石製の棚のようなものを設置し、棚の中に骨壺に入った遺骨を納めるタイプが多く見られます。

また、区画ごとに小さなプレートや小さな石碑を設ける永代供養墓もありますが、いずれにしても墓石を建てるお墓に比べれば安価です。

後述する合祀墓、樹木葬、納骨堂も永代供養がセットになっていることがほとんどです。

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合祀墓に埋葬する

瀬田 桜花浄苑(東京都)の合祀墓「祈りの塔」
費用相場と収容人数
購入費用:3~20万円程度/1体
年間管理費:なし
収容人数:1体/1区画

合祀墓(ごうしぼ)とは、血縁関係なく一緒くたに埋葬するお墓です。
一つの大きなお墓の納骨室に、色々な人の遺骨が納骨されていきます。

ほとんどの場合、遺骨は納骨室内の土に直接まかれるか、麻など自然に還る素材の袋に入れて埋葬されます。

合祀墓も、公営墓地でなければほとんどの場合永代供養が付いています。
形状によっては「永代供養塔」と呼ばれることもあります。

合祀墓のメリットは、経済的負担が小さくて済むことです。
また、お墓は墓地の管理者が維持していくので、跡継ぎの不安もありません。

デメリットは、一度埋葬したらその後遺骨を取り出すことができなくなるという点です。
また、他人と一緒に埋蔵されているので、個別の墓にお参りができないという点にも留意が必要です。

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草木・樹木を墓標とする樹木葬

費用相場と収容人数
購入費用:10~150万円程度
年間管理費:なし~5千円程度
収容人数:1~4体程度/1区画

墓石の代わりに、草花や樹木を墓標とする樹木葬というものもあります。

樹木葬には、納骨室を設けて容器に入れて納骨するタイプと、直接土に埋めて自然に還すタイプの2通りがあります。
必ずしも遺骨が土に還るとは限らないので、購入前に埋葬方法の確認が必須です。

樹木葬は、「墓地、埋葬等に関する法律」で定められた墓地で行う必要がありますので、扱っている霊園やお寺を探しましょう。
庭の木の下などに人骨を埋めると死体遺棄罪に問われます。

樹木葬のメリットは、やはり費用が安く抑えられるという点です。
非常に安いものだと10万円程度から購入できますし、公営墓地の場合はそれ以下のこともあります。
また、環境にやさしく自然に還るイメージがあるので、多くの人に受け入れられやすいスタイルともいえます。

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屋内にお墓を持つ納骨堂

費用相場と収容人数
購入費用:30~200万円程度
年間管理費:なし~2万円程度
収容人数:1~12体程度/1区画

納骨堂は、屋内の収骨スペースに遺骨を入れていくタイプのお墓です。
一般のお墓が一戸建てなら、納骨堂はマンションのようなイメージとお考え下さい。
なお、納骨堂に納骨する場合は、法律上、「埋蔵」ではなく「収蔵」といいます。

納骨堂は形態ごとにいくつかの種類に分けられ、代表的なものにロッカー式自動搬送式仏壇式があります。

納骨堂のメリットは、墓石を建てるよりも安価に購入できる点です。
一般的に墓石を建てるお墓の費用相場が150~300万円と言われるのに対し、納骨堂は50万円~100万円程度で複数人納骨できるものも多いです。
1人用のお墓であればさらに費用は抑えられるでしょう。

また、屋内にありますので、天候や季節を問わずお参りができます。
加えて、ほとんどの場合永代供養が付いているので、跡継ぎの心配もいりません。

デメリットは、必ず何らかの建物の中にあるため、建物の耐用年数が来た時に不安があるという点です。
購入する前に建て替えや災害の際の対応は確認しておくと良いでしょう。
また、コンピューターで管理する「自動搬送式」と呼ばれるタイプのものだと、メンテナンスに費用がかかる分管理料も高めの傾向があります。

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お墓を持たない供養の方法

そもそもお墓を持たないという考え方もあります。
ここでは、お墓を持たない供養の方法を紹介します。

自宅で保管する手元供養

手元供養製品のイメージ
遺骨を埋葬せずに自宅で保管するという手元供養というものもあります。
墓地以外のところに「埋蔵」すれば法律違反になりますが、埋蔵せずに「保管」するだけであれば違反にはなりません。
骨壷で安置するほか、一部の遺骨をアクセサリーなどにして身に着ける方法もあります。

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遺骨を自然に還す散骨

レイセキ:海散華
遺骨を海や山などにまいて、自然に還す散骨という方法もあります。法律上の散骨の扱いは明確には決められていませんが、原則遺骨を2mm以下の粉末にする(粉骨)必要があるといわれています。
地域によっては散骨を条例で禁止しているところもある上、海以外で散骨をする場合は土地の所有者の許可が必要です。
安心して散骨できる場所を探すのは大変なので、専門業者を利用して散骨することをおすすめします。

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そもそも「お墓」とは

「お墓」とは、故人を埋葬する場所のことをいいます。
また、故人を埋葬した後は、その場所を訪れ手を合わせ供養の対象となる場所でもあります。
なので、必ずしも墓石がなくても、故人が眠っている場所は「お墓」になります。

お墓は、故人の命日やお盆・お彼岸など、家族や親せきが集まったときにお墓参りにいったり、故人と墓前でお話しをしたりと、お墓は大切な故人とつながっていられる場所です。
形にこだわる必要はありません。

墓石のあるお墓が広まったのは比較的最近

墓石はいったいいつ頃から建てられるようになったのでしょう。
一般的に、墓石を建てるお墓が広まったのは、江戸時代中期頃といわれています。

それ以前はどうしていたのでしょう。
日本最古の墓は、1983年に北海道上磯郡の湯の里4遺跡で発掘された旧石器時代の土坑とされています。
この土坑は、1991年に国の重要文化財に指定されています。
縄文時代には、土を掘りくぼめて穴(土坑)をつくり、そこに人の遺体を納めて葬送していました。

縄文時代の中期から後期にかけては、土坑の1段掘りの底を更に掘り下げた2段掘りや3段掘りにした土坑墓が発見されています。
土坑墓は、火葬せずに遺骸をそのまま土に埋葬するものでした。
このことからも、縄文時代から死者を埋葬する習慣があったようです。
基本的に「亡骸は土に還す」のが一般的でした。

土に埋葬する「土葬」の前は、草むらや森などにそのまま亡骸を放置する「風葬(遺棄葬)」が行われています。
風葬、その後の土葬を経ると、今度は石や樹木をお墓に見立てその下に亡骸を埋葬するようになりました。

このようなお墓が見られるようになったのが江戸時代です。
これが、現在のお墓の前身といわれています。
なお、江戸中期以降に広まったお墓は、個人や夫婦のお墓でした。

現在のような「○○家之墓」が普及したのは、明治の終わり以降といわれています。

お墓の長い歴史から考えると、現在のような墓石を建てる家墓が主流になってからまだそれほど年月が経っていないことがわかります。

なぜ墓石を建てるのか

現在では、お墓を建てる場合はどの宗教でも石やタイルを用いることが一般的です。

お墓に石を用いるのは、故人の名前や生年月日・没年月日を刻んで永く記録するために朽ちない素材が使われたという説や、土葬の場合は死者が起き上がってこれないように重石を乗せたという説があります。

逆に言えば、自分の名前を後世まで永く残したいという希望がなければ石でなくても構わないでしょう。
また、現代の日本ではほとんどが火葬なので、死者が起き上がってくる心配もありません。

墓石を建てないメリット・デメリット

ここでは、墓石を建てない場合のメリットとデメリットについてご紹介します。

墓石を建てないメリット

  • 経済的な負担が少ない
  • 基本的にお墓の管理をしなくて済む
  • 子供に負担をかけなくて済む
  • 永代供養がついているので無縁墓になる心配がない
  • 合祀であれば故人も寂しくない

墓石を建てないデメリット

  • 親族や周囲からの反対に遭う可能性がある
  • 合祀墓を選ぶと他の人の遺骨と混ざってしまい取り出すことができない
  • 散骨を選ぶと残された人が祈る場所がない
  • 場所によってはお供えものができない
  • お墓を代々引き継ぐことができない

まとめ

お墓を持たない、お墓を建てる気がない、お墓を承継する人がいない、あるいはお墓を建てたいが経済的理由などで建てられないといった場合の供養の方法についてご紹介しました。

お墓は、亡くなった人を思い供養すると同時に、残された人たちにとっても心の整理をつけたり、今の自分がいることに感謝したり喜びや悲しみの報告で手を合わせることができる場所ですが、必ずしも必要なものではありません。

現在の状況に合わせた無理のない形で供養をすることが何よりも大切です。

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墓石のないお墓に関するよくある質問