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墓石なしのお墓ってあり?納骨先の種類や費用を解説!

墓石なしのお墓の画像1

お墓は、墓石を建てることが当然だと思っていませんか?

実は、日本で石を建てるお墓が一般的に広まったのは、せいぜい江戸中期以降のことです。
それまでの長い歴史では、必ずしもお墓に墓石を建ててはいませんでした。

現代になって価値観が多様化する中、お墓の形も多様化していきます。
今回の記事では、様々なお墓の中から、墓石がないお墓や、墓石を建てないことのメリットやデメリットを紹介していきます。

目次
1.そもそも「お墓」とは
1-1.墓石のあるお墓が広まったのは比較的最近
1-2.なぜ墓石を建てるのか

2.墓石なしのお墓の種類
2-1.屋内にお墓を持つ納骨堂
2-2.草木・樹木を墓標とする樹木葬

3.自分で墓石を建てないお墓の種類
3-1.合祀墓に埋葬する
3-2.共同墓に埋葬する

4.お墓を持たない供養の方法
4-1.自宅で保管する手元供養
4-2.遺骨を自然に還す散骨

5.墓石を建てないメリット・デメリット
5-1.墓石を建てないメリット
5-2.墓石を建てないデメリット

6.まとめ

1.そもそも「お墓」とは

「お墓」とは、故人を埋葬する場所のことを言います。
また、故人を埋葬した後は、その場所を訪れ手を合わせ供養の対象となる場所でもあります。
なので、必ずしも墓石がなくても、故人が眠っている場所は「お墓」になります。

お墓は、故人の命日やお盆・お彼岸など、家族や親せきが集まったときにお墓参りにいったり、故人と墓前でお話しをしたりと、お墓は大切な故人とつながっていられる場所です。
形にこだわる必要はありません。

1-1.墓石のあるお墓が広まったのは比較的最近

墓石はいったいいつ頃から建てられるようになったのでしょう。

一般的に、墓石を建てるお墓が広まったのは、江戸時代中期頃と言われています。

では、それ以前はどうしていたのでしょう。
日本最古の墓は、1983年に北海道上磯郡の湯の里4遺跡で発掘された旧石器時代の土坑とされています。
この土坑は、1991年に国の重要文化財に指定されています。
縄文時代には、土を掘りくぼめて穴(土坑)をつくり、そこに人の遺体を納めて葬送していました。

縄文時代の中期から後期にかけては、土坑の1段掘りの底を更に掘り下げた2段掘りや3段掘りにした土坑墓が発見されています。
土坑墓は、火葬せずに遺骸をそのまま土に埋葬するものでした。
このことからも、縄文時代から死者を埋葬する習慣があったようです。
基本的に「亡骸は土に還す」のが一般的でした。

土に埋葬する「土葬」の前は、草むらや森などにそのまま亡骸を放置する「風葬(遺棄葬)」が行われています。
風葬、その後の土葬を経ると、今度は石や樹木をお墓に見立てその下に亡骸を埋葬するようになりました。

このようなお墓が見られるようになったのが江戸時代です。
これが、現在のお墓の前身と言われています。
なお、江戸中期以降に広まったお墓は、個人や夫婦のお墓でした。

現在のような「○○家之墓」が普及したのは、明治の終わり以降と言われています。

お墓の長い歴史から考えると、現在のような墓石を建てる家墓が主流になってからまだそれほど年月が経っていないことがわかります。

1-2.なぜ墓石を建てるのか

現在では、お墓を建てる場合はどの宗教でも石やタイルを用いることが一般的です。

お墓に石を用いるのは、故人の名前や生年月日・没年月日を刻んで永く記録するために朽ちない素材が使われたという説や、土葬の場合は死者が起き上がってこれないように重石を乗せたという説があります。

逆に言えば、自分の名前を後世まで永く残したいという希望がなければ石でなくても構わないでしょう。
また、現代の日本ではほとんどが火葬なので、死者が起き上がってくる心配もありません。

2.墓石なしのお墓の種類

墓石を建てない場合の供養の方法にはどのようなものがあるのでしょう。

墓石のないお墓として有名なのは「納骨堂」や「樹木葬」があります。

2-1.屋内にお墓を持つ納骨堂

納骨堂は、屋内の収骨スペースに遺骨を入れていくタイプのお墓です。
一般のお墓が一戸建てなら、納骨堂はマンションのようなイメージとお考え下さい。
なお、納骨堂に納骨する場合は、法律上、「埋蔵」ではなく「収蔵」といいます。

納骨堂にも種類がいくつかあり、下記のようなものがあります。

・ロッカー式
ロッカーのような棚に遺骨を収蔵していく
【参考】ロッカー式の納骨堂とは?メリット・デメリットを解説!

・自動搬送式(マンション型)
コンピューターで制御されており、参拝室に遺骨が自動で運ばれてくる
【参考】マンション型のお墓がこれで分かる!費用やメリット・デメリット

・仏壇式
仏壇型のお墓で、仏壇下のスペースに収骨できる

・位牌式
大きめの位牌型のお墓で、位牌内に収骨する

・棚式
棚に骨壺を並べていく

また、ほとんどの納骨堂には「永代供養」が付いています。
永代供養とは、利用者の跡継ぎが不在になった後も、管理しているお寺などが供養を続けてくれるというものです。

納骨堂のメリットは、墓石を建てるよりも安価に購入できる点です。
一般的に墓石を建てるお墓の費用相場が150~300万円と言われるのに対し、納骨堂は50万円~100万円程度で複数人納骨できるものも多いです。
1人用のお墓であればさらに費用は抑えられるでしょう。
また、屋内にありますので、天候や季節を問わずお参りができます。
加えて、ほとんどの場合永代供養が付いているので、跡継ぎの心配もいりません。

デメリットは、必ず何らかの建物の中にあるため、建物の耐用年数が来た時に不安があるという点です。
購入する前に建て替えや災害の際の対応は確認しておくと良いでしょう。
また、コンピューターで管理する「自動搬送式」と呼ばれるタイプのものだと、メンテナンスに費用がかかる分管理料も高めの傾向があります。
なお、収骨した遺骨は最終的には取り出されて合祀になる場合がほとんどですので、留意しましょう。

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2-2.草木・樹木を墓標とする樹木葬

墓石の代わりに、草木・樹木を墓標とする樹木葬というものもあります。
さくらやツバキなどの花木植えられた土の下の穴に遺骨を埋めていく納骨方法です。
多くの場合、樹木葬も永代供養が付いています。

納骨室を設けて容器に入れて納骨するタイプと、直接土に埋めて自然に還すタイプの2通りがあります。
樹木葬は、「墓地、埋葬等に関する法律」で定められた墓地で行う必要がありますので、扱っている霊園やお寺を探しましょう。
庭の木の下などに埋めると死体遺棄罪に問われます。

樹木葬のメリットは、やはり費用が安く抑えられるという点です。
合祀で非常に安いものだと10万円程度から購入できますし、公営墓地の場合はそれ以下のこともあります。
また、環境にやさしく自然に還るイメージがあるので多くの人に受け入れられやすいスタイルとも言えます。

デメリットは、許可を受けた墓地以外ではできないということです。
許可を受けた墓地以外であれば散骨樹木葬という方法もあります。
ただし、散骨する場合も土地の所有者の許可が必要だったり、近隣とのトラブルにも留意する必要があるので、業者に頼むのが無難です。

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3.自分で墓石を建てないお墓の種類

ここでは、お墓自体に墓石は使っているけど、いわゆる「○○家の墓」のようなお墓を自分で建てなくていいお墓を紹介します。

3-1.合祀墓に埋葬する

ひとつめ方法は合祀墓(ごうしぼ)といって、血縁関係なく一緒くたに埋葬されるお墓です。
一つの大きなお墓の納骨室に、色々な人の遺骨が納骨されていきます。
一般のお墓が一戸建てなら、「合同墓」会社や学校の寮のようなものだとお考えください。

ほとんどの場合、遺骨は納骨室内の土に直接まかれるか、麻など自然に還る素材の袋に入れて埋葬されます。

合祀墓も、公営墓地でなければほとんどの場合永代供養が付いています。
形状によっては「永代供養塔」と呼ばれることもあります。

合同墓のメリットは、経済的負担が小さくて済むことです。
費用は数万円から数十万円程度とお考え下さい。
また、お墓は墓地の管理者が維持していくので、跡継ぎの不安もありません。

デメリットは、一度埋葬したらその後遺骨を取り出すことができなくなるという点です。
また、他人と一緒に埋蔵されているので、個別の墓にお参りができないという点にも留意が必要です。

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3-2.共同墓に埋葬する

共同墓とは、ある団体などが作ったお墓に、所属している人が入っていくスタイルのお墓です。
一般のお墓が一戸建てなら、共同墓は最近でいうシェアハウスのイメージとお考え下さい。

共同墓は、教会や老人ホームなどで作られることがあります。
主に身寄りの無い人や墓守をする人がいないといった人が多く利用しています。

最近では生前にお互いに気の合った人たちが共同墓を希望して、実際に一緒に納骨されるケースも増えています。

共同墓は、宗教法人が管理運営している場合が多いですが、NPO法人や社団法人あるいは石材店などが管理運営している場合もあります。

共同墓のメリットは、身寄りの無い人や墓守をする人がいない人でもお墓に入れるということでしょう。

デメリットは、管理運営している宗教法人などが解散してしまった場合に、遺骨を見守る仕組みが崩壊してしまうことです。
即座に共同墓自体がなくなるわけではありませんが、管理料などが滞ると管理者に撤去され、遺骨はその墓地の合祀墓か自治体の無縁塚に入れられる可能があります。

4.お墓を持たない供養の方法

そもそもお墓を持たないという考え方もあります。
ここでは、お墓を持たない供養の方法を紹介します。

4-1.自宅で保管する手元供養

遺骨を埋葬せずに自宅で保管するという手元供養というものもあります。

墓地以外のところに「埋蔵」すれば法律違反になりますが、埋蔵せずに「保管」するだけであれば違反にはなりません。
埋蔵しない最も簡単な方法が、自分で保管する方法と言えます。

遺骨を骨壷に入れたまま自分で保管している人は、全国に100万人とも200万人ともいわれています。
また、骨壷で安置するほか、一部の遺骨をアクセサリーなどにして身に着ける方法もあります。

手元で供養(保管)することのメリットは費用がかからないことです。

逆にデメリットは、いつかは何らかの処理をしなければならないことです。
自分でできない場合や自分が亡くなった場合は、残された誰かがしなければなりませんから残された人に迷惑がかかることになります。

4-2.遺骨を自然に還す散骨

遺骨を海や山などにまいて、自然に還す方法です。

法律上の散骨の扱いは明確には決められていませんが、原則遺骨を2mm以下の粉末にする(粉骨)必要があるといわれています。

自分で骨を砕いてまくこともできますが、業者に頼む方が無難です。
地域によっては散骨を条例で禁止しているところもある上、海以外で散骨をする場合は土地の所有者の許可が要ります。
自宅の庭や許可が下りた土地であっても、近隣からの苦情が起こることも考えられます。
このように、安心して散骨できる場所を探すのは大変なので、業者に手配してもらいましょう。

散骨のメリットは、費用を抑えられるという点です。
遺骨をまくまで全て業者に委託する場合でも、粉骨もあわせて5万程度で請け負う業者もいます。

デメリットは、故人をお参りする場所がなくなってしまうという点です。
また、一度まいたらその後遺骨を回収することはできません。
散骨の前には家族や親戚も合わせてよく検討しましょう。

5.墓石を建てないメリット・デメリット

ここでは、墓石を建てない場合のメリットとデメリットについてご紹介します。

5-1.墓石を建てないメリット

・経済的な負担が少ない
・永代供養のためお墓の管理をしなくて済む
・子供に負担(精神的・経済的・時間的・肉体的)をかけなくて済む
・故人の希望(樹木葬や散骨など)を叶えられる
・合祀であれば故人も寂しくない
・残された遺族が多様な供養を選択できる
・無縁墓になる心配がない

5-2.墓石を建てないデメリット

・親族や周囲からの苦言やトラブルが起きる可能性がある
・合祀の場合、他の人の遺骨と混ざってしまい取り出すことができない
・散骨やゼロ死の場合、残された人が祈る場所がない
・場所によってはお供えものが出来ない
・お墓を代々引き継ぐことができない

6.まとめ

お墓を持たない、お墓を建てる気がない、お墓を承継する人がいない、あるいはお墓を建てたいが経済的理由などで建てられないといった場合の供養の方法についてご紹介しました。

お墓は、亡くなった人を思い供養すると同時に、残された人たちにとっても心の整理をつけたり、今の自分がいることに感謝したり喜びや悲しみの報告で手を合わせることができる場所であることもご紹介しました。

墓石もお墓も必ず必要なものではありません。
現在の状況に合わせた無理のない形で供養をすることが何よりも大切です。

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