親の墓どうする?お墓がない場合・墓じまいする場合

  • 投稿日:2019/03/20
  • 更新日:2021/11/26
親の墓どうする?お墓がない場合・墓じまいする場合

先祖代々のお墓がある場合、もしも親が亡くなった場合、少なくとも埋葬する場所についての心配はしなくて済みます。
逆にお墓がない場合は、何らかの埋葬方法を考えなければなりません。
それにはどのような方法、お墓の種類があるのでしょうか。
その際に子供が複数いた場合、費用負担は長男や長女だけが負担しなければならないのでしょうか。負担を分け合う場合の基準はあるのでしょうか。疑問は尽きません。

今回の記事では、親のお墓を建立する場合の費用はその負担割合、あるいはお墓の種類について解説します。

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親の遺骨を入れるお墓がない場合

現在、親を埋葬するお墓がない場合、一般的にはお墓を新たに購入する必要が出てきます。
一般的にその購入費用は100万から300万円かかります。
この費用や手間は誰が負担すべきなのでしょうか。

お墓の費用は長男が出すべき?

まず兄弟が何人かいる場合、兄弟で負担を分け合うことは可能なのでしょう。
その際の費用負担はどうしたらよいのでしょうか。
あるいはお墓の費用は、すべて長男、長女が出すべきなのでしょうか。

お墓の継承ルール

まずお墓を誰が継承するか、つまりお墓を維持管理する責任者は誰なのか、という優先順位は民法で定められています。
お墓は「祭祀財産」というものに分類され、一般の相続財産とは分けて考えられます。

これによると、お墓の承継者を具体的に故人との関係性で決めるという記載はありません。
お墓の承継者は誰でも、極端に言えば全く赤の他人でもなりえます。

ただし、慣習上の問題から、現実的には長男が承継者となることが多いでしょう。
祭祀財産の承継は、以下のように決まります。

1.故人(被承継者)の指定
2.指定がなければ慣習に従う
3.慣習も分からなければ家庭裁判所で決める

実際にはお墓の承継者について家庭裁判所まで持ち込まれることは少なく、遺族間の話し合いで決められることが多いようです。

条文では、下記のように記載されています。

第897条[祭祀供用物の承継]

(1) 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。
但し、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が、これを承継する。

(2) 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、前項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。

お墓の費用負担については規定がない

お墓を継承した場合、その維持管理に関する費用も継承者が負担することが一般的です。
ただし、費用負担については法律では定められていませんから、維持管理の責任者は長男でも、その費用負担は兄弟で分割するということは十分に可能です。

逆に言えば、お墓を継承したからと言って、長男がすべての費用を負担しなければならない、ということではありません。

この費用負担の考え方は、すでにあるお墓を継承する場合だけではなく、新たにお墓を購入する場合も同様です。

墓に入らない次男や娘もお墓の費用を負担するべき?

他家に嫁いだ娘の場合そのお墓に自分は入りません。
この場合、自分が入らないお墓の費用を負担することに関しては抵抗があるかもしれません。
仮に次男、三男が自分でお墓を作り、親とは一緒にお墓に入らない場合も同様の考えになるでしょう。

このような、自分が入らないお墓の購入費用に関しても、親が埋葬される場合、費用負担をする義務が生じるのでしょうか。

この費用負担に関しても法的に定められたものはありません。

しかしお墓を継承した長男だけで、お墓の購入費用が負担しきれない場合、兄弟姉妹で協力し合うことが、一般的にはよく行われていることです。
あるいは、購入した親のお墓に将来埋葬される予定の親族にも費用負担をお願いするということも常識の範囲内でしょう。

お墓を建てるお金がない時はどうする

親のお墓を購入する気持ちは十分にあっても、その費用が捻出できない、協力してくれる兄弟姉妹や親族もいない、という場合はどうしたらよいのでしょうか。

メモリアルローンを利用する

メモリアルローンとは建墓ローンとも言われるもので、お墓の購入費用、仏具の費用、あるいはお葬式の費用を使途とする場合に、借りることのできるローンです。
お墓を購入する費用が用意できない場合は、このメモリアルローンの利用を考えましょう。
このメモリアルローンにはほかのカードローンとは違ったメリットがあります。

1つは保証人が不要だということです。
住宅ローンのような借入金の場合は保証人が必要ですが、メモリアルローンの場合は利用者の多くが年配者で退職金や貯金などが持っており、返済能力が十分だとされているためです。

2つ目はメモリアルローンの借入上限額は高額になっているということです。
借入限度額の低いメモリアルローンでも最低300万円はあります。高いことろであれば1000万円まで可能です。
この限度額なら十分にお墓を購入が可能でしょう。

安い供養の方法を探す

お金がない場合、墓石のお墓をあきらめるという手もあります。
一般的なお墓であれば100-300万円程度が費用の相場と言われていますが、他の樹木葬や納骨堂などを選べば30-100万円程度で遺骨をお墓に入れられます。
他にも、他の遺骨と一緒くたになる合祀墓などに入れれば5万円程度に費用を抑えられるでしょう。

いっそお墓が要らないという場合は、散骨でもいいでしょう。
全て業者に代行を依頼すれば、やはり5万円程度でできます。

また、もし経済的に厳しければ焦って納骨しなくても大丈夫です。
自宅に遺骨を置いておく期間に決まりはないので、とりあえず自宅供養にしておくのも良いでしょう。
ただし、供養する自分が亡くなった場合には遺族がその遺骨を処分しなければならなくなるので、いずれかはどこかに埋葬するか散骨する必要があります。

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お墓は必ず作らなければいけない?

現在では、必ずしも墓石を建てる墓を持たなくても、遺骨の供養はできます。
親のお墓は必ず作らなければいけないのでしょうか。

親を永代供養墓に入れてしまってもいい?

親のお墓を建てない場合は、親の遺骨を永代供養墓に入れても良いでしょう。

ただし、他人と遺骨が一緒くたに埋葬される「合祀墓」の場合は、入れたが最後取り出せなくなるので決断は慎重にしましょう。
親の遺骨を合祀墓に入れた後、叔父からクレームが来たということもあります。
永代供養墓、特に合祀墓を選ぶ場合は親族に一通り確認しておくことが必要です。
他の親族が遺骨を引き取ってくれることもあり得ます。

永代供養とは

永代供養とは、墓地の管理者が故人の供養を続けてくれるというシステムです。
故人の縁故者がいなくても、管理者であるお寺などが供養してくれるので、無縁墓になる必要がなく安心です。
具体的には、盆や彼岸などの合同法要でお経を読んでもらえます。
ほとんどの場合永代供養墓は一般のお墓とは異なる樹木葬や納骨堂なので、手入れなども管理者が行ってくれるでしょう。

この場合は新たに墓石のお墓を建てる必要はありません。
加えて、その後のお墓の世話を全くしなくても、霊園や寺で管理してくれます。

永代供養でも親不孝じゃない?

親の供養を代行してもらうと聞くと、何か親不孝をしているような気がするかもしれません。
しかしその心配は無用です。なぜなら、1番の親不孝は親が亡くなった後に菩提を弔う気持ちがなくなることだからです。

親に対する供養の気持ちをしっかり持って、自宅などに親の写真を飾って、毎日お参りをしたり、そのような具体的な場所を持たなくても、常に親のことを考え、心の中で会話をすれば十分に供養になります。

あるいはもう1つの親不孝があるとしたら、年忌法要などを全く行わないことです。
しかし先ほど書いたように永代供養であれば、年忌法要は寺院や霊園が代行してくれますから、これに関しても心配はいりません。

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自分で継承者がいなくなる場合

ここまでは自分の親が亡くなった場合に、お墓をどのように準備するかの話でした。
次にすでにお墓を持っていて自分が維持管理しているが、自分が亡くなったあとにそれを引き継ぐ人がいない場合どうしたらよいのか、という解説をしましょう。

承継者はお墓を放棄できる?

お墓の承継者は必ず誰か決めなければなりませんが、具体的に祭祀をどこまでするかなどの義務に関する規定はありません。
なので、全くお墓参りに行かなかったり、お墓の世話をしなくても違法にはなりません。

ただし、お墓を墓地に持っている以上は年間管理費が発生します。
墓地の名義変更もせずに年間管理費も支払わないとどうなるでしょうか。
管理費の支払いがないお墓は、一定期間後に墓地の管理者によって撤去され、遺骨は墓地内の永代供養墓か、自治体の無縁塚に埋葬されます。
このようにお墓を放っておくのは管理者側にとって大変迷惑なので、やってはいけません。
お墓を承継したものの面倒が見れないという場合は、責任を持ってお墓を処分しましょう。

なお、お墓の承継は放棄できないので、必ず誰かが承継することになります。
それは、お墓を含む祭祀財産の承継自体に行政手続きがないためです。
承継に手続きがないのあれば、当然放棄の手続きも存在しません。

他に継いでくれる人はいない?

お墓を長男が継承してくれない、という場合は、まずはその兄弟、そして兄弟がダメな場合は親族に打診することが一般的です。
しかし兄弟にも親族にもお墓の継承者が見当たらない場合は、血縁関係の人以外に継承してもらうことも可能です。

たとえば親しい友人や知人などです。このような血縁がつながっていない人にお墓を継承してもらうことは、遺言でその人を指定する方法によって可能になります。
法的に有効な遺言書の形式を守っていれば、誰を指名しても十分に有効です。

ただし、遺言でいきなりその人を指名しても、受けてくれる可能性は低いでしょう。
いくら遺言で指名しても本人にその気がなければ、墓の世話などはまずしてもらえません。

ですから、血縁者以外にお墓の承継を頼む場合は、生前にその人にしっかりお願いをしておくことが重要です。さらに親族の了解も事前にとっておくことも不可欠です。

墓じまいはどうする?

もしもお墓の継承者がどうしても見つからない場合、そのままにしておくとお墓は無縁墓になり、寺院や霊園の手によって撤去され、遺骨はすべて処分されてしまいます。
このようなことを防ぐには墓じまいをするしかありません。

墓じまいとは

墓じまいとは、埋葬されている遺骨をお墓から取り出して、墓地自体は寺院、霊園に返還することです。
取り出した遺骨はほかのお墓に改葬するか、永代供養を依頼することになります。

墓じまいができるのはお墓の承継者だけ

墓じまいを行う権利を持っているのはお墓の維持管理をしている責任者だけです。
誰かに代行してもらう場合でも、必ず承継者の承諾書が必要です。

したがって、墓じまいを自分が生きている間に行う場合は、自分の埋葬先を別に考える必要があります。
あるいは、自分が亡くなったあとに墓じまいをするのであれば、とりあえず誰かにお墓を継承してもらい、その人に墓じまいをしてもらわなければなりません。

墓じまいは継承者の独断ではできない

ただしお墓の継承者が墓じまいを独断で行うことはできません。
まず寺院墓地の場合は寺院の承諾、公営、民営霊園の場合が霊園管理者の承諾が必要です。
さらにそのお墓に埋葬されている故人の親族がいる場合は、その親族の了解も取らなければなりません。
ですから墓じまいに関しては慎重に進める必要があります。

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まとめ

少子高齢化、未婚化が進む日本においては、お墓の継承者が不足するということは今後増えて来る大きな問題です。
かといって、親が亡くなった時にお墓の費用を出すことも大きな負担になることも事実です。

もしも親が亡くなって埋葬する場所がない場合、あるいは自分が亡くなった後に埋葬する場所がない、お墓を継承してくれる人がいない、という場合は、以上の解説を読んで対策を考えましょう。

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