黒の墓石には何がある?種類や特徴を解説!

黒の墓石には何がある?種類や特徴を解説!

黒い墓石は、その高級感あるたたずまいや美しい艶から人気があります。
今回は、黒い墓石について解説していきます。

なお、墓石の色全般については、『墓石の色と種類を紹介!』をご覧ください。

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黒色の墓石の種類

黒色の石材で、よく墓石に使用されるものには、「北大青」「M-10」「YKD」「Y-1」「クンナム」「ファイングレイン」「ラステンバーグ」「浮金石」があります。

北大青

北大青
北大青(ほくだいあお)は、中国の山西省で採石される石です。
中国名では、「雪花泥」と呼びます。
黒地に白い模様が入っており、黒とグレーの中間のような色合いです。
他の黒御影石に比べると、少し柔らかい印象を与えます。
日の光に当たると名前の通り青っぽく見えます。

中国石材の中では高品質で、耐久性に優れています。

北大青のデータ

  • 圧縮強度:119.68n/m㎡
  • 見掛け比重:2.901t/㎥
  • 吸水率:0.086%

M-10

M-10
M-10(えむてん)は、インドで採石される石です。
黒地に特徴的な薄い緑の模様が入った高級感ある見た目をしています。
耐久性がある優れた石なので、墓石材としての人気が高いです。

産出量が安定しているため、比較的リーズナブルな価格で販売されています。

M-10のデータ

  • 圧縮強度:118.58n/m㎡
  • 見掛け比重:2.632t/㎥
  • 吸水率:0.056%

YKD

インド黒
YKD(わいでぃーけー)はインドで採石される石です。
黒の中に緑色をおびています。
同じインドで採石される高級石材「クンナム」の代用として使われることが多い石です。
値段が手ごろで材質が良く、和型から洋型まで広く使用されます。

YKDのデータ

  • 圧縮強度:121.09n/m㎡
  • 見掛け比重:3.016t/㎥
  • 吸水率:0.028%

Y-1

Y-1

Y-1のデータ

Y-1(わいわん)は、インドで採石される石です。
限りなく黒に近く、少し緑がかったきれいな石です。
キメが細かく、光沢の美しさはインド産墓石材の中でトップクラスです。

クンナム

クンナム_R
クンナムは、インドのクンナム村で採石される黒い石材の代表格の石です。
経年劣化が見られないことから「永遠の黒」と呼ばれ、愛されています。
しかし、採掘量が減り、現在はあまり流通していません。
採掘量が減ってしまったのは、クンナムの採石場は州が所有していることが多く、州が採掘業者に採掘許可を出さないため採掘ができないことがあるためです。
クンナムに近い鉱脈の黒い石がクンナムとして販売されることがあり、それらの品質は本物のクンナムに劣ることが多いようです。

クンナムでお墓を建てたい場合は慎重に選びましょう。

クンナムのデータ

  • 圧縮強度:120.36n/m㎡
  • 見掛け比重:3.037t/㎥
  • 吸水率:0.011%

ファイングレイン

ファイングレイン_R
ファイングレインは、スウェーデンで採石される高級石材です。
耐久性は世界一ともいわれ、経年劣化にとても強い石です。

価格は高いですが、墓石材として長い間愛されてきた評価の高い石なので、良い石でお墓を建てたい方におすすめです。

ファイングレインのデータ

  • 圧縮強度:121.25n/m㎡
  • 見掛け比重:3.02t/㎥
  • 吸水率:0.006%

ラステンバーグ

FG-31(ラステンバーグ)
ラステンバーグは、南アフリカで採石される石です。
黒の中に少し茶色が混ざっているような深い色合いと表面の模様が魅力です。

耐久性に優れており、経年劣化が少ないです。

ラステンバーグのデータ

  • 圧縮強度:120.57n/m㎡
  • 見掛け比重:2.911t/㎥
  • 吸水率:0.028%

浮金石

浮金石
浮金石は、福島県で採石される国産高級石材です。
黒の中に金をちりばめたような美しい見た目から「浮金石」と名付けられました。

希少でとても高価ですが、根強い人気があります。

浮金石のデータ

  • 圧縮強度:120.82n/m㎡
  • 見掛け比重:2.997t/㎥
  • 吸水率:0.011%

黒御影石の墓石の種類と価格

石の値段は、採掘量によって変動します。
希少性の高い石ほど、値段が高くなります。
また、人気の高い石も高くなる傾向があります。
必ずしも、硬度が高く吸水率が低いほど価格が高いとは限りません。

黒色の墓石の価格帯について解説します。

リーズナブルな黒の石種

  • 北大青
  • YKD

スタンダードな価格帯の黒の石種

  • M-10

最高級ブランドの黒の石種

  • Y-1
  • クンナム
  • ファイングレイン
  • ラステンバーグ
  • 浮金石

黒い墓石のメリットとデメリット

黒い墓石のメリット・デメリットについて解説します。

黒い墓石のメリット

黒い墓石のメリットは以下の通りです。

  • 高級感ある墓石を作れる
  • 美しい光沢やつやがある
  • 吸水率が低く丈夫な石が多い

高級感ある墓石を作れる

黒い墓石の魅力はなんといってもその高級感あるたたずまいです。
美しいつやや光沢をもつ墓石が多く、高級そうな印象を与えます。

吸水率が低く丈夫な石が多い

黒い墓石は、硬くて吸水率の低いものが多くあります。
クンナムやファイングレインをはじめとして、品質の良いものが多くあります。
しかし中には、石を塗料で黒く塗ってつやをだして高級石材として売っているものもあるので、格安の石には気を付けましょう。

黒い墓石のデメリット

黒い墓石のデメリットは以下の通りです。

  • 熱を吸収してしまう
  • 硬いため、加工しづらい
  • 傷やホコリなどの汚れが目立つ

熱を吸収してしまう

黒は熱を吸収する色です。
真夏の炎天下では、石の表面の温度が急上昇します。
真夏のお墓のお手入れの際はやけどしないように気をつけましょう。

硬いため、加工しづらい

黒い墓石は硬度が高く、劣化に強いというメリットがありますが、これは加工しづらいということでもあります。
加工に手間がかかるため、他の石材よりも加工費が高く設定されていることがあります。

傷やホコリなどの汚れが目立つ

光沢が美しい分、ホコリなどの汚れが目立つことがあります。
また、傷がつくと光が傷部分に反射するため目立ってしまいます。

黒い墓石が多い地域とその理由

関東では、黒い墓石が多く建てられているといわれています。
対して関西では、白い墓石が多いとされています。

これは、関東では浮金石などの黒い墓石が多く産出されており、地元の石材を使ったためだといわれています。
関西では、「庵治石」や「大島石」などの関西でとれる白い石が人気のため、白い墓石が多いようです。

もちろん関東だから黒、関西だから白でなければならないという決まりはないので、周りを気にせず自由に石を選ぶと良いでしょう。

黒い墓石は縁起が悪いって本当?

「黒い墓石は縁起が悪い」という考える方もいます。
これは、墓相学(ぼそうがく)の影響と黒という色のイメージ、そして黒が熱を吸収する色であることも関係しているようです。

墓相学によると黒い墓石は災いや災害を招く!?

墓相学とは、手相などのようにお墓のたたずまいで運気を占うものです。
墓相の歴史は古く、江戸時代から存在しています。
風水や手相のように根拠があいまいなものですが、墓相学を気にしてお墓を建てる方もいらっしゃいます。

墓相学では、お墓に黒い石を使うと災害や災難を招くとされています。
また、身内から犯罪者を出す恐れがあるというものもあります。

対して仏教では、黒は極楽浄土を作るのに必要とされている5色のうちの1つで縁起が良いとされています。
墓相学は、風水に近いもので仏教とは関係ないようです。

関西の方だと馴染みの薄い黒い墓石

黒という色に対し、暗い・闇・怖いといったイメージを浮かべる方もいらっしゃいます。
特に関西の方は黒い墓石に馴染みがないため、黒い墓石で家族が眠るお墓を建てることに縁起が悪いと感じてしまうこともあるでしょう。

熱を吸収してしまう黒い墓石は故人の眠りを妨げる?

黒は熱を吸収してしまう色なので、真夏の炎天下では卵が焼けてしまうほど墓石の表面が熱くなります。
そのため、暑くて先祖が成仏できないと考えることから、縁起が悪いという印象がついたとされています。

黒い墓石が縁起が悪いというのは迷信

墓相学や暑くて先祖が成仏できないという考えに根拠はありません
黒に対するイメージも個人の考えに過ぎません。
黒いお墓は関東では一般的に建てられていますし、気にする必要はないのではないでしょうか。

墓石を選ぶ際の3つのポイント!

チェックポイントのイラスト
墓石を選ぶ際の3つのポイントについて解説します。

1.石の硬度や吸水率を確認する

硬度が高く、吸水率の低い石を選ぶとお墓が劣化しにくいです。
硬度は、圧縮強度見かけ比重によって決まります。

圧縮強度は、どれだけの力に耐えられるか示したものです。
圧縮強度の単位は、N/cm2(ニュートンパー平方センチ)で表します。

一方、見かけ比重とは一定体積あたりの質量です。
重い石の方が強度があり、長持ちするといわれています。

圧縮強度が高く、見かけ比重が重いものほど耐久性があります。

吸水率は水の吸い込みやすさを表します。
吸水率が高いと雨などにより見た目が変わったり、汚れやすくなります。

程度の差はありますが、石は水を吸うため吸水率が0になることはありません。
できるだけ、吸水率の低いものを選ぶと劣化しにくいです。

2.実際に建っているお墓を見て選ぶ

墓石の種類を選ぶときは、石見本と呼ばれる小さな石を見て決めることが多くあります。
しかし、石は自然のものなので、山から切り出した石の面によって模様が異なります。
お墓を建てた後に後悔しないために、石見本だけで決めずに依頼する石材店が同じ石種で建てたお墓をいくつか見せてもらいましょう。

黒い墓石は、お墓を建ててすぐの状態がつやがあって美しい分、経年劣化が目立ちます。
その石材店が建てた他の黒い墓石の状態もチェックしましょう。

3.誠実な石材店に依頼をする

石の種類選びももちろん大切ですが、一番重要なので石材店選びです。
誠実な石材店がほとんどですが、中にはヒアリングやアフターサービスがきちんとしていない、石の種類を偽って販売するなど不誠実な対応をするところもあります。

自治体が運営する公営墓地や、村に古くからある共同墓地での建墓では、複数の石材店から相見積もりを取ることが可能です。
長く付き合っていく石材店だからこそ、より誠実で信頼できるところを選びましょう。

お墓さがしでは、最大3社の実績のある石材店からお墓の一括見積もりを取ることができます。

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まとめ

墓石としてよく使用される黒い石には、「北大青」「M-10」「YKD」「Y-1」「クンナム」「ファイングレイン」「ラステンバーグ」「浮金石」があります。

黒い石は、その高級感ある光沢や頑丈さから人気がありますが、熱を吸収しやすい、経年劣化が目立ちやすいという欠点もあります。

黒いお墓は縁起が悪いという迷信がささやかれていますが、根拠がないため気にせず好きな石でお墓を建てることをおすすめします。

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執筆者情報

お墓ディレクター

馬淵

経歴

石材店勤務を経験後、現在はお墓さがしのライターとして、皆様のお墓に対する不安や疑問を解消できるコンテンツ作りを心掛けています。

保有資格

お墓ディレクター(認定番号 21-200042-00)