墓石の値段はいくら?価格の相場や費用を抑える方法を解説!

お墓は一生に一度の大きな買い物です。
そのため、先にだいたいの金額を知っておきたいと慎重になる方は多くいらっしゃいます。
そこで今回の記事では、お墓さがしを利用してお墓を建てた方のデータを通して、墓石の値段について解説します。
目次
墓石の値段の相場
2023年2月現在、お墓さがしで募集している一般墓の墓石代(墓地代別、工事費を含む)の平均値は、約125.8万円でした。
価格帯は80万~120万円で販売されているものが最も多く、全体の約3割でした。

※一般墓のうち、石材工事費が明記されているものに限る。※各区画の石材工事費の最低価格から算出。
参考:墓石を含めたお墓の費用の総額
お墓さがしが実施した「お墓選びの実態調査(2023年)」によると、墓石を含めた一般墓の購入費用の平均値は、約173.5万円でした。
価格帯は80万~120万円で購入した方が最も多く、全体の23%でした。
なお、購入費用には、土地にかかる「永代使用料」も含みます。

墓石・工事代の費用内訳
一口に墓石の値段といっても、見積書を見ると、石碑代、外柵代などの項目に分かれていることが多くあります。
墓石とその工事にかかる費用の内訳は、おおむね以下のようになります。
墓石(石塔)代 | 50万~180万円程度 |
外柵代 | 30万~150万円程度 |
墓誌代 | 5万~20万円程度 |
その他付属品代 | 数千円~ |
彫刻代 | 墓石(石塔)代に含める |
墓石(石塔)代:50万~180万円程度
墓石代は、石塔、水鉢、花立、その他墓石加工などの費用の項目です。
石碑への彫刻費が含まれる場合もあります。
外柵代:30万~150万円程度
外柵とは、隣接する墓所との境界線を示すために設けられた、お墓の周りを囲む枠です。
お墓によっては外柵がないものもあります。
外柵の工事費には、カロートや化粧砂利などの費用も含まれていることがあります。
墓誌代:5万~20万円程度
墓誌とは、お墓の傍らに設置された、被埋葬者の没年月日や戒名、享年などを刻んだ石です。
蓋墓誌といって、カロートの蓋に戒名彫刻が施されたものもあり、その場合は彫刻費のみかかります。
墓誌の代金は、墓石代や外柵代に含まれていることが多くあります。
その他付属品代:数千円~
その他の付属品には、塔婆立や花立、化粧砂利があります。
塔婆立
塔婆立とは、塔婆を建てるための台です。
塔婆立には、ステンレスやアルミ製のものや石でできたものがあります。
費用は長さによって異なりますが、数千円~1万円です。
花立
花立とは、花を供えるのに使用する花器です。
耐久性の高いステンレス製のものがよく使われています。
プラスチック製やアルミ製のものは、劣化しやすいので避けましょう。
費用は、数千円~2万円程度です。
化粧砂利
化粧砂利とは、お墓の見栄えを良くし、雑草が生えるのを防ぐために区画内に撒く石です。
費用は、通販で購入すると三千円程度ですが、基本的には外柵の費用に含まれています。
彫刻代:墓石(石塔)代に含める
お墓の彫刻には、墓石本体の彫刻と墓誌の戒名彫刻があります。
墓石本体の彫刻は、石碑正面に彫られた彫刻です。
「〇〇家之墓」や「南無阿弥陀仏」と彫られることが多いですが、最近は「平和」や「絆」など好きな言葉を石碑に彫刻しているお墓も増えています。
正面彫刻の費用は、墓石代に含まれることがほとんどです。
また、お墓に1体納骨する度に、墓誌への戒名彫刻料が発生します。
費用は、3~8万円程度です。
墓石以外のお墓購入にかかる費用
お墓の購入には、墓石代や工事費の他にも以下のような料金が発生します。
永代使用料 | 20万~80万円程度 |
納骨作業料 | 5万円程度 |
開眼法要のお布施 | 3万~5万円程度 |
入檀料 | 10~30万円程度 |
管理料 | 5千~2万円/年程度 |
永代使用料:20万~80万円程度
永代使用料とは、墓地の区画を使用するための費用です。
永代使用料を支払うことで、墓地が続く限り、または墓じまいをして返還するまで、区画を使用することができます。
永代使用料は、区画が広いほど高くなります。
納骨作業料:5万円程度
納骨作業料とは、お墓に遺骨を入れる際に発生する作業料です。
カロートの蓋は、石でできているため非常に重く、慣れていない方が取り外すのは危険です。
そのため、お墓を建ててくれた石材店のスタッフ、または霊園のスタッフが、納骨をしてくれます。
費用は、5万円程度です。
開眼法要のお布施:3万~5万円程度
開眼法要とは、墓前で僧侶にお経を読んでいただき、お墓に魂を宿す儀式です。
開眼法要を行うことによって、お墓は神聖な祈りの対象となります。
僧侶にお経をあげてもらうため、お布施を支払います。
お布施はあくまで気持ちを包んだものなので、いくら以上支払わなければならないということはありませんが、3~5万円が相場といわれています。
入檀料:10~30万円程度(必要な場合のみ)
入檀義務のあるお寺の墓地にお墓を購入することは、お寺の檀家になるということです。
檀家になる際には、入檀料をお寺に支払います。
入檀料の相場は10~30万円といわれています。
管理料:5千~2万円/年程度
お墓を購入すると毎年管理料が発生します。
管理料とは、墓地の清掃や植栽、水道料金など、墓地の維持に使われる費用です。
管理費を支払っていても、個々のお墓の管理はしてもらえないので注意しましょう。
年間管理費の相場は、5千~2万円です。
実際の墓石工事の事例3つ
お墓の値段は、お墓の形や大きさ、石の種類で大きく変動します。
よくある例を通して見ていきましょう。
リーズナブルな洋型のお墓:65万円

- 墓石代:650,000円
- 区画の広さ:1.8㎡
- 石の種類:G614(石塔)/G623(外柵)
こちらは、関東の市営墓地に建てられた洋型墓石のお墓です。
カロート(納骨室)の蓋に戒名等を彫刻する蓋墓誌にするなど、付属品が少なく、シンプルなデザインです。
石材は、石塔部分を石目が細かいG614を使用し、外柵部分にG623を使用しています。
いずれも中国産の安価な石材で、日本では墓石として広く用いられています。
こちらは墓石の卸売りもしている石屋さんが手掛けた事例で、相場よりも20万円程度安く工事ができました。
広い区画の和型のお墓:170万円

- 墓石代:1,700,000円
- 区画の広さ:4.0㎡
- 石の種類:M10(石塔)/G623(外柵)
こちらは、茨城県で建てられた和型墓石のお墓です。
4㎡と広い区画に建てられており、外柵の他、塔婆立てや灯篭なども備えたしっかりとしたお墓です。
石塔にはM10と呼ばれるインド産の頑丈な石材を使用しています。外柵にはポピュラーで安価な中国産のG623を使用することで、全体の価格を抑えています。
こちらも地域で石の卸売りをしている石屋さんが手掛けたお墓で、実際の相場よりも50万円程度安く施工されました。
芝生墓所の小さなお墓:45万円

- 墓石代:450,000円
- 区画の広さ:4.0㎡
- 石の種類:クリスタルブラウン
こちらは、コンパクトな墓石を設置する芝生墓所の例です。
墓所の広さは4平米と広いのですが、多くの芝生墓所では小さな石碑を設置し、隣り合う区画とのスペースを確保するよう規定が設けられています。
石材は南アフリカ産のクリスタルブラウンです。クリスタルのような結晶が見える茶色系の墓石で見た目が美しく、硬度が高く吸水性が低いなど、頑丈です。
クリスタルブラウンは高級墓石の部類ですが、小さなお墓なので、どれほど費用をかけずにお墓を建てられました。
墓石の価格を左右する5つのポイント
墓石の値段は、使用する石の量で変動するというお話をしましたが、そのほかにも墓石の値段を左右するポイントがあります。
墓石の価格を左右する5つのポイント
- 1.石材の種類
- 2.お墓の形
- 3.区画の大きさ
- 4.お墓の付属品の有無
- 5.墓地の立地
1.石材の種類
石材の種類は300種類を超えるとも言われており、産地に関わらず、希少な石ほど高くなります。
もっとも高級な墓石は、香川県産の庵治石(あじいし)です。「花崗岩のダイヤモンド」と呼ばれており、磨くと美しいつやがでます。
対して、G623(じーろくにーさん)やG688(じーろくはちはち)などは採掘量が多く、お求めやすい価格です。
石材店の見積もりが高いと感じた場合は、「より安くて風合いの似た石はありませんか?」と聞いてみるとよいでしょう。


2.お墓の形
お墓の形によって、使う石の量が異なるため、値段も変動します。
また、デザイン型のお墓は、オーダーメイドのため、その分複雑な加工をする必要があり、加工費が高くなります。
値段は高めになりますが、デザイン型のお墓では、サッカーボールやピアノなどの形をしたお墓など、故人の特徴や好きだったものを反映したお墓を建てることができます。


3.区画の大きさ
区画が大きいほど、建てるお墓も大きくなるため、費用が高くなります。
対して、小さい区画であれば、費用を安く抑えることができます。


4.お墓の付属品の有無
お墓に付属品を足すと、その分総額は高くなります。
例えば、お墓に灯篭を設置する場合は、一基につき5万~25万円程度が総額に加算されます。
5.墓地の立地
墓地の立地条件によって、お墓の施工費が変動します。
例えば、山の中などの施工しづらい場所にあると、施工費は高くなります。
対して、道幅が整備された都市部の霊園では、施工がしやすいため、施工費が加算されることはありません。
お墓の値段を安く抑える方法3つ!
お墓の値段をできるだけ安く抑えるには、以下のような方法があります。
お墓の値段を安く抑える方法
- 1.アウトレット墓石を購入する
- 2.郊外の墓地を選ぶ
- 3.公営の墓地を選ぶ
1.アウトレット墓石を購入する
アウトレットモールで販売されている衣服や家電と同じように、墓石もアウトレット価格で販売されていることがあります。
理由としては、展示品の入れ替えや大量に仕入れた型の在庫処分などが挙げられます。
アウトレット墓石でも、通常の墓石と同様にアフターサービスや保証書がついているため安心してご購入いただけます。
ただし、アウトレット墓石は販売期間や販売数が限定されていることがほとんどです。
お墓を建てる石材店に、アウトレット墓石の取り扱いがないこともありますので、ご注意ください。
2.郊外の墓地を選ぶ
永代使用料の高さは、土地の値段の影響を受けます。
そのため、都市部などの土地の価格相場が高い地域は、永代使用料も高くなる傾向があります。
都心でなくても問題ない場合は、郊外の墓地を検討してみるのもよいでしょう。
3.公営の墓地を選ぶ
多くの場合、公営の墓地はお寺や民間の墓地に比べ、面積あたりの永代使用料や年間管理費が安く設定されています。
ただし、土地の価格が高い都立霊園では、永代使用料だけで一千万円を超えてしまうケースもあります。
永代使用料が安くても、公営墓地は大きい区画の募集が多く、結果的に大きいお墓を建てることになり、費用が高くなることもあります。
そういった場合は、寺院墓地や民営墓地の小さな区画を購入した方が安く済むでしょう。
大きいお墓を費用を抑えて建てたい場合は、公営の墓地を検討してみましょう。
値段を明記しない石材店が多い理由
お墓のポータルサイトや石材店のサイトを見ていると、お墓の価格がはっきりと明記されていないことが多くあります。
例えば、価格表の「石材工事費」や「総額」の欄に「お問い合わせください」と書かれていることです。
その理由としては、HP上での価格と実際に見積もりを取った際の価格のギャップが発生することが挙げられます。
お墓の値段は、石材の種類やお墓の形やデザインによって大きく変動します。
HP上で明記されているお墓の価格は、一番安い石材を使って建てた場合の価格であることがほとんどです。
実際に石材店に要望を伝えて出してもらった見積りは、HP上の価格と異なる場合があることを押さえておきましょう。
値段が明瞭な墓石セットや墓石カタログ
霊園によっては永代使用料と墓石代をセットにした価格を提示しているところがあります。
セット価格には、永代使用料と墓石代の他に、基本彫刻料や工事費が含まれています。
セット価格のお墓は価格が分かりやすい一方、お墓の形や石種がある程度決められています。
また、墓石のカタログを出している石材店もあります。
墓石のカタログには、区画の大きさごとに、様々な形の墓石とその値段が掲載されています。
墓石カタログの場合も、値段が分かりやすい一方で、お墓のデザインや石種は非常に限定されます。
値段だけで決めない!お墓選びのポイント3つ!
お墓の値段もお墓を選ぶ上で重要なポイントですが、他にも大切なポイントがあります。
値段だけで決めてしまって後悔してしまうことがないよう、ポイントを押さえましょう。
1.誠実で信頼できる石材店に工事を依頼する
石材店とは、お墓を建てた後も、その後の納骨やお墓のメンテナンスなどでお付き合いが続いていきます。
中には、安価な石を高額なブランド石材だと偽って販売するところや粗悪な工事をする悪質な石材店もいるので、そういったトラブルを避けるためにも、誠実で信頼できるか石材店なのか精査することは大切です。
石材店を選ぶ際は、担当者が質問などに丁寧に答えてくれるかや、見積もりを迅速に出してくれるかなどがポイントになります。
また、その石材店のHPを確認し、その石材店が歴史ある石材店なのかを調べてみてもよいでしょう。
実際にその石材店が作ったお墓を見て判断するのも一つの手です。
2.墓地の立地や地盤に問題がないか確認する
立派なお墓を建てても、そのお墓が土砂災害に巻き込まれてしまったり、地盤がゆるくてお墓が傾いてしまったら元も子もありません。
そういったトラブルを防ぐために、事前に自治体のハザードマップで墓地の安全性を確かめたり、石材店や霊園スタッフに墓地の立地や地盤について質問してみましょう。
3.高齢になっても気軽にお参りができる墓地なのか
お墓を建てる墓地や霊園が、高齢になっても気軽にお参りができる場所にあるのか購入前に考えましょう。
車でしか行けない墓地だと、いつか免許を返納したときに、誰かに墓地まで連れて行ってもらう必要があります。
また、墓地・霊園がバリアフリー設計になっているかも重要なポイントです。
お墓の費用の支払い方法
お墓の支払い方法は、費用の種類によって異なります。
永代使用料
永代使用料は、墓地のご契約時に一括で支払います。
支払い方法は、現金支払いが多いですが、銀行振込、小切手、ローンに対応している霊園もあります。
墓石の費用
墓石の費用は、「工事前と完成時で2回に分けて支払う」、または、「工事前、工事中、完成時の3回に分けて支払う」ことが多いようです。
支払い方法は、基本的に銀行振込、クレジットカード、ローンでお支払いいただけます。
また、事前に石材店と日程を調整して、石材店スタッフがご自宅まで集金を行うこともあります。
墓石を建てるよりも安い供養の方法
予算があまりなく、墓石を購入するか迷われている方におすすめなのが永代供養墓です。
樹木葬:3万~200万円程度

原則承継を前提としません。1~4名程度で1つの区画を使用できるものが多くあり、単身者の方、ご夫婦、ご家族など様々な単位で利用できます。
樹木葬の費用相場は、3万~200万円程度です。費用は、埋葬形態や使用人数などによって変動します。
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納骨堂:10万~200万円程度

屋内にあるため、お参りが天候などに左右されず、墓石のお墓のように手入れも必要ありません。個人よりは夫婦または家族などの複数人区画が多くあります。
納骨堂の中でもいくつか種類が分かれており、「ロッカー式」「自動搬送式」「仏壇式」などがあります。
納骨堂の費用相場は、10万~250万円程度です。
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合祀墓:3万~30万円程度

一度合祀墓に納骨してしまうと、二度と取り出すことはできないため注意が必要です。
合祀墓は一番価格が低いお墓で、費用相場は1人あたり3~30万円程度です。
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散骨:5万~30万円

遺骨の粉砕や場所の選定など、個人で散骨を行うことは難しいので、業者に依頼しましょう。散骨の実施後に遺骨を回収することはできないため、事前にご家族の了承を得ておくことも重要です。
散骨の費用は、5万~30万円程度です。自分の手で散骨するか、業者に全て任せるかなどによって、費用は変動します。
散骨について詳しく >>
手元供養:0~50万円程度

骨壺のまま自宅に置いておくだけなら、費用は掛かりません。
「手元供養品」と呼ばれる、おしゃれな骨壺やアクセサリーなどを購入する場合は、数千円~50万円程度の費用が掛かります。
骨壺は、数千円~10万円程度で購入できます。遺骨を加工してアクセサリーなどにする場合は、10万~50万円程度がかります。
手元供養について詳しく >>
まとめ
墓石の値段の相場は、80~160万円程度です。
墓石の値段は、使う石の量や石の種類、墓地の立地によって大きく変動します。
墓石を安く購入したいのであれば、小さくてシンプルなお墓にするか、アウトレット墓石がないか聞いてみましょう。
予算が少なく、お墓の承継に不安がある場合は、永代供養墓を検討してみましょう。
墓石の購入をお考えですか?
お墓さがしでは、墓石の一括見積もりサービスを承っています。
全国対応・見積もり無料。お墓のお見積りをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
墓地・霊園をお探しですか?
お墓さがしでは、全国にある樹木葬、納骨堂、永代供養墓、墓石のお墓を建てられる霊園などを掲載しています。
ご希望のエリアや条件に合ったところがないか、こちらからぜひ一度ご覧ください。
墓石の値段はいくら?価格の相場や費用を抑える方法を解説!に関する記事
墓石の値段に関するよくある質問
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墓石を建てるにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
石種や墓所の広さによりますが、工事費込みで、おおむね80~160万円程度です。
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お墓を守っていくには、どれくらいの維持費が必要でしょうか?
お墓の年間管理費が、年間5千~2万円程度かかります。この他、お墓までの交通費や、お供え代などもかかります。
経歴
石材店勤務を経験後、現在はお墓さがしのライターとして、皆様のお墓に対する不安や疑問を解消できるコンテンツ作りを心掛けています。
保有資格
お墓ディレクター(認定番号 21-200042-00)