粉骨とは?粉骨の方法や業者の選び方を解説

粉骨とは?粉骨の方法や業者の選び方を解説

散骨や手元供養について調べていると、「粉骨」という言葉が出てきます。
粉骨とは遺骨をパウダー状に砕くことを言いますが、遺骨を砕くということに驚く方もいるかもしれません。
しかしながら、供養の方法によっては、粉骨は必須になることがあります。
今回の記事では、遺骨の粉骨が必要になるケースや、粉骨の方法・業者の選び方について紹介します。

粉骨とは?

粉骨とは、遺骨をパウダー状に砕くことです。
一般的に粉骨をする場合は、直径2mm以下までの大きさに粉砕することが定着しています。
粉骨をすることによって、遺骨を自然に還す「散骨」ができたり、幅広い手元供養品を利用できるようになったりします。

遺骨の粉骨が必要になるケース

遺骨の粉骨は、以下のような場合に必要になることがあります。

遺骨の粉骨が必要になるケース

  • 散骨をする
  • 手元供養をする
  • 樹木葬を利用する

散骨をする

レイセキ:海散華
散骨をするには、粉骨が必須です。
散骨とは、遺骨を海や森林などの自然環境に散布する供養の方法です。
特に、海への散骨は「海洋散骨」または「海洋葬」などと呼ばれます。
この他、大きな風船に遺骨を入れて上空で散布する「バルーン葬」や、宇宙に遺骨を打ち上げる「宇宙葬」なども散骨の一つと言えます。
粉骨をせず、それと分かる状態で遺骨を散骨すると、刑法190条の死体損壊等罪にあたる可能性があります。

散骨について詳しく >>

【参考】散骨それ自体は合法?

手元供養をする

kotsutsubo
ご遺骨をご自宅に安置したり、加工して身に着けたりして供養することを「手元供養」と言います。
「手元供養品」と呼ばれるものの多くは、遺骨の粉骨を前提としています。
自宅に置くタイプの手元供養品には、遺骨を納められるオブジェなどがあります。
身に着けられる手元供養品には、遺骨を収納できるソケットがついたペンダントなどがあります。

手元供養について詳しく >>

樹木葬を利用する

ガーデニング型樹木葬霊園「八ヶ岳フラワージュ」風景2
樹木葬は、樹木や草花などを墓標とするお墓です。
近年では石材店が樹木葬に参入してきていることもあり、小さな石碑を設置することも多くあります。
樹木葬も、納骨にあたって粉骨が必要になることが多くあります。
特に、霊園が指定する専用容器で納骨するタイプや、土に直接遺骨を埋葬して自然に還すタイプでは、粉骨が必要になる傾向にあります。

樹木葬の一覧 >>

その他のケース

遺骨を粉骨すると、骨壺のサイズを小さくすることができます。
また、粉骨した遺骨を真空パックなどで保管しておけば、カビがついてしまうリスクも減らせます。
したがって、お墓の納骨室が小さい場合や、遺骨を納骨せずに保管しておく場合などにも、粉骨することがあります。

遺骨を粉骨する方法

遺骨を粉骨する方法を紹介します。

業者に粉骨を依頼する場合

基本的に、粉骨が必要な供養をする場合は、供養の委託先の業者が粉骨も一緒に請け負ってくれます。
つまり、散骨をするなら散骨の業者、樹木葬をするなら墓地や霊園、手元供養をするなら手元供養品の販売会社などに依頼できます。
仮に、粉骨のみが必要になる場合でも、散骨業者や手元供養品の会社であれば、粉骨のみでも依頼できることが一般的です。

自分で粉骨する場合

自分で遺骨を砕くことは、心理的にも体力的にも負担がかかりますので、特別なこだわりがない限りは、業者に依頼することをおすすめします。
自分で粉骨する場合は、以下のように行います。

お墓から取り出した遺骨は乾燥する

もし、一度お墓に納骨していた遺骨を粉骨したい場合は、まず初めに遺骨を乾燥させておきます。
天日干しをするか、ドライヤーを使うなどしてしっかり乾燥させてください。
なお、火葬場で収骨してからそのまま自宅で安置していた場合では原則不要ですが、もし骨壺に水が溜まっていたりしたら乾燥する必要があります。

ハンマーや乳鉢などを使って遺骨を粉砕する

遺骨が乾燥できたら、砕きます。
まずは、袋に遺骨を入れて、ハンマーで叩きます。
袋は破れないように、何枚か重ねます。
細かくなったら、乳鉢ですりつぶしていきます。

粉骨する業者の選び方

粉骨を請け負っている業者は多くありますが、そのサービスの内容は様々です。
自分が希望するサービスを受けられるかどうか、事前に調べておくべきポイントを紹介します。

粉骨の立ち合いを受け入れているか

粉骨の立ち合いを受け入れている業者であれば、お客様に見せられる管理や店構えになっているはずなので、ある程度安心して依頼できます。
実際に立ち合いをするには、オプションで別途料金がかかることがあります。

手作業と機械のどちらで粉骨を行うか

業者が粉骨をする場合は、機械を用いることが一般的です。
ただし、手作業で粉骨をしてもらいたいという要望に応えてくれる業者も一部あります。
もし、手作業で粉骨してもらいたい、自分も作業に参加したい、と考えているなら、事前にそういったサービスがあるかを確認しましょう。

接客対応が丁寧か

どのサービスにおいても当てはまりますが、対応が丁寧な業者はやはり安心です。
粉骨が葬送のプロセスの一つなので、悪質な業者を選んでしまうと後に後悔が残ります。
管理がずさんな業者では、粉骨する機械を都度洗わずに、他の方の遺骨が残ったまま次の遺骨を粉骨することもあります。
接客が丁寧か、こちらの希望を聞いてくれるか、料金設定は分かりやすいか、運営している会社が分かるか、なども、業者を選ぶときにチェックしましょう。

業者に粉骨を依頼する場合の料金

粉骨の料金は、骨壺の大きさによって変わります。
7寸壺を機械粉骨する場合の相場は、おおむね1.5万円前後です。
手作業で粉骨する場合は、さらに1万円程度高くなります。
希望する内容によっては、これに、遺骨の洗浄や立ち合いなどのオプションが加わることがあります。

まとめ

粉骨とは、遺骨をパウダー状に砕くことを言います。
散骨では必須のプロセスで、手元供養や樹木葬をする場合も必要になることがあります。
自力で粉骨をするのは心理的にも体力的にも負担が大きいので、粉骨は業者に依頼することをおすすめします。
散骨や手元供養をしている会社であれば、粉骨だけのサービスを受付けている所も少なくありません。

執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。