粉骨って何?散骨や手元供養で必要な遺骨のパウダー化

粉骨って何?散骨や手元供養で必要な遺骨のパウダー化

価値観の多様化に伴い、葬送の形も多様化しています。
お墓を持たない散骨が関心を集めたり、遺骨をアクセサリーにして身に着けるといった供養の形も知られるようになってきました。

この新しい供養の形でしばしば必要となってくるのが「粉骨」です。

今回の記事では、粉骨とはいったいどのようなことで、どういう方法で行えばよいのか、そして粉骨業者はどう選ぶかという点について解説します。

粉骨とは何か

粉骨とは、その文字の通り、遺「骨」を「粉」末状にすることです。
粉末のサイズは法律などでは決められていませんが、粉骨業者のサイトなどでの表現で言えば、遺骨をパウダー状にまでするものです。

粉骨によって遺骨の容積が約1/5程度になるために、いろいろな場面で粉骨を行うケースが出て来ます。

粉骨はどんな時に必要?

では粉骨はどのような場合に必要になるのでしょうか。

散骨には粉骨が必須

散骨する際には、粉骨が必須ステップになります。

お墓に関する法律では「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」があります。
墓埋法では、原則遺骨は墓地に埋葬しなければならないことになっていますが、法律が制定された当初、散骨などの新しい葬送の形が出てくることを想定していなかったため、散骨や粉骨については規定として定められていません。

ただし、刑法の解釈・運用がどのようであるかを示した「条解刑法」によると、「死体あるいは遺骨をそのまま海中等に投棄する行為はたとえそれが死者の意思に沿ったものであったとしても、死体・遺骨遺棄罪になる」としています。

散骨は、節度を持って行うことが求められるとして、見た目に人骨と分からない程度に砕いてからまくということも、その一環になります。

参考:散骨をめぐる諸問題――散骨禁止条例を中心として――

しかし上で記したように、遺骨をどのサイズまで粉骨すればよいのかまでは法律で規定されていません。
この点に関しては、散骨を行う業者の自主規制で、粉骨とは遺骨を直径2mm以下にまで粉砕することだとルール化されています。

手元供養でもすることがある

遺骨の一部または全部を、墓地には埋葬しないで自分の手元に置いて供養し続けることを手元供養と言います。
その際には自宅などのスペースの問題や、仏間がないなどの問題、あるいは骨壺のままだと雰囲気が悪いという問題が発生します。

その際には遺骨を粉砕することで、骨箱の大きさを1/3にできるため、粉骨を選ぶ人が多いです。

お墓がいっぱいになった時

お墓の納骨室が骨壺でいっぱいになってしまった場合、遺骨を粉骨してコンパクトな入れ物に移し替えることがあります。
特に、納骨堂などでは多いでしょう。

粉骨の他には、古い遺骨から合祀墓に移したり、分骨して残りを合祀墓に移したりします。

なお、屋外のお墓であれば、古い遺骨から土に還していくという方法も取られます。
一般的に屋外のお墓の納骨スペースには、土が露出している部分があります。
この土の上に遺骨を置いたり埋めたりして、土に還していきます。

粉骨を検討したほうがよい人とは?

粉骨は以上のような場合に行われますが、これを遺骨を祀る人の立場から見てみましょう。
つまり、どのような人が粉骨を選択したらよいのか、ということです。

具体的には以下に当てはまる人の場合、粉骨を選択することが1つの方策になります。

・遺骨の納骨先が未決定で、遺骨の保管場所や保管方法に困っている
・遺骨を自宅で一時保管しようと考えている
・墓地の継承者が見つからないため墓じまいを検討している
・子孫の負担を考えて永代供養を検討している
・子供がいないため、墓を作ることをためらっている
・費用の点で墓地を作ることを躊躇している
・散骨を考えている
・遺骨を身近に置いて供養したいと思っている
・自分の家の墓の納骨室がすでに先祖の骨壺で満杯の場合
・自分の家の墓地が遠方で墓参ができない場合

粉骨を業者に頼む場合はどう選ぶ?

では粉骨をしたい場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
その時の1つの方法が、粉骨サービスをしている業者に依頼することです。
具体的には以下のような内容になります。

粉骨業者の粉骨方法は2種類

粉骨業者が行う粉骨方法には2種類あります。

1つは手で砕く方法です。
手で砕く方が心がこもっているような気がしますが、その分時間を費用がかかります。

もう1つが機械で粉砕する方法です。
この方法であれば、手作業に比べて粉骨後の粒子が均一で細かくなり、なおかつ費用も少なくて済みます。

どんな業者がやっている?

どのような業者が粉骨サービスを行っているかというと、現状では以下のようになります。

・散骨を行っている業者
・粉骨を専門に扱っている業者
・永代供養墓を運営している寺院や霊園

ですからインターネットで、直接「粉骨」で検索してもよいですし、それで希望に合う業者が見当たらない場合は、以上の業者でも検索するとよいでしょう。

よい粉骨業者の選び方は?

ただし、場合によっては非常に粉骨方法に問題がある業者に依頼してしまうケースもあり、トラブルも多発しています。
そのような業者に当たらないためには、以下の条件に合致する業者を選びましょう。

清潔な環境と機械が必須

業者によっては粉骨する機会を毎回洗浄しないところあります。
そのような業者に粉骨されてしまうと、自分の家族の遺骨にごみや、あるいはほかの人の遺骨が混ざってしまいます。

特に、機械で粉骨をすると遺骨は非常に細かくなりますから、掃除機で軽く吸い取った程度では、すべての遺骨は取り除かれません。
したがって、粉骨を行った機械や器具は水洗いが鉄則なのです。ですから、粉骨のたびに毎回機械を水洗いしている業者を選びましょう。

また作業環境も同様です。中には掃除もできていない汚い場所で作業をする業者がありますが、自分の大切な人の遺骨をそのような場所で粉骨してほしくない感情は誰にでも当然あるでしょう。したがって、機械だけでなく、作業環境が清潔かどうかも判断材料に加えましょう。

散骨ツアー業者の粉骨サービスには要注意

専門に粉骨をしているのではなく、散骨ビジネスの一環で、サービスで粉骨も行っている業者もあります。
全ての散骨ツアー業者がそうではありませんが、その中にはサービスでしているからと言って、非常にいい加減に粉骨を行う業者もあります。
ですから散骨サービスを依頼する場合には、その点も気をつけましょう。

料金が明示されているか

粉骨の料金設定は、一般的には遺骨の量、つまり骨壷の直径で決まります。
また、湿気のある遺骨の場合は、粉骨の前に乾燥させる必要があるため、乾燥料金を別途必要とすることがほとんどです。

したがって、骨壺の大きさや、乾燥の有無などの項目に沿って粉骨料金が明示されているかをしっかり確認しましょう。

よくあるトラブルは、サイトなどに料金を明示せず、粉骨のために遺骨を送ってから、遺骨の量が多いので追加料金がかかる、あるいは遺骨が湿っていたので乾燥料金が必要、と言ってくるケースです。

周辺仏具を押し売りする業者も

また粉骨業者の中には、手元供養品を押し売りするところもあります。
特によくある手口は、粉骨料金を安くして集客してから、その顧客に高額な数珠や骨壺、手元供養のためのアクセサリーを押し付けるものです。

粉骨の立会いをOKしているか

粉骨作業への立会いを希望した場合に拒否する業者は、上で挙げたような何らかの問題点を抱えている場合が多いです。
したがって、問い合わせ時に立会いが可能かどうかも確認することが、優良な粉骨業者の見分け方になります。

誠意のある対応をしてくれるか

遺族にとって、大切な遺骨の粉砕を依頼するのが粉骨業者なので、最終的にはこちらの故人を偲ぶ気持ちをどこまで汲んでくれるのか、という点が業者選択のポイントになります。

ですから、問合せ方法がメールやサイトの問い合わせフォームしかないような業者はやめた方が無難です。
しっかりと電話で、こちらが納得するまで説明してくれる業者を選びましょう。
その中で少しでも引っかかる部分があれば、その業者は避けましょう。

粉骨料金の相場は?

気になるのは粉骨業者の優劣もありますが、費用に関しても同様でしょう。

遺骨は関東と関西では、火葬の後、遺骨全てを収骨するか、一部だけなのかが違います。
したがって、粉骨料金もエリアによって異なります。

それを踏まえると、一般的には粉骨作業だけの相場でいうと、関東エリアで12,000円程度、関西エリアで9,000円程度です。

粉骨は自分でしてもOK?

法的には粉骨は誰がやっても全く問題がありません。
したがって、遺族が自分で故人の遺骨を粉骨してもよいのです。

その方法としては、遺骨を袋に入れて、金槌や木槌で細かくなるまで叩き崩していくなどがあげられます。

ただし、この作業は意外に労力が必要であり、なおかつ、故人の遺骨を粉砕すること自体、精神的にあまり良い影響を与えません。
ですから無料で粉骨したいと望む場合だけ行った方がよいでしょう。

作業の大変さと精神的な負担を避けるには、粉骨器のレンタルサービスを利用する方法もあります。
これであれば、簡単な組み立て式の粉骨器を1週間程度レンタルできるので、自分でゆっくりと粉骨できます。
ただしレンタル料金は10,000円程度なので、結果的に粉骨サービスを利用した場合と同額程度の費用が必要です。

まとめ

現代において、散骨や手元供養を考えている人は大変増えていますので、粉骨に関する解説は参考になったのではないでしょうか。

粉骨は1人で経営している業者でもできるようなサービスなので、劣悪なところも多いのが実態です。
そのような業者に大切な遺骨を委託しないためにも、以上の解説を踏まえて粉骨を行いましょう。