永代供養の個人墓には何がある?特徴と費用相場を解説!

年の日本は生涯未婚率が非常に高くなり、一生「おひとりさま」で過ごす人が増えています。
その生き方は自分で選んだことであれば誰にも迷惑をかけていませんから、何も問題はありませんが、困ったのは亡くなった後の話です。
生きている間は何でも自分でできますが、亡くなった後はほぼ確実に誰かの手を煩わせなければなりません。
しかしその誰かの手間を最低限にする方法があります。
それが永代供養の個人墓を用意してそこに自分を埋葬してもらう方法です。
今回の記事では永代供養の個人墓とは具合的にはどのような方法で、費用はどの程度かかるのか、という点について解説していきます。
目次
個人墓とは一人用のお墓のこと
永代供養の個人墓というものには2つ解説が必要な内容があります。
それは「永代供養」と「個人墓」です。まずはそのうちの「個人墓」についての解説です。
個人墓とは、その文言の通り、故人1人だけを埋葬するお墓のことです。
一般的なお墓は「~家之墓」と彫ってあるように、一族や家族が埋葬される墓ですが、個人墓は自分だけのお墓なのです。
永代供養墓とは何か
では次に「永代供養」あるいは「永代供養墓」とは何なのでしょうか。
永代供養とは
一般的な仏教では、人は亡くなった後33年または50年で霊魂の人格がなくなり、先祖の霊と一緒になって子孫を守るようになると言われています。
そのため33年または50年の間は、個人として三周忌、七回忌などのような年忌法要を行います。
つまり、ぞれだけ生きている人の手を煩わせる、ということです。
しかし永代供養とは、弔い上げと言われている三十三回忌または五十回忌の法要までの間、寺院や霊園などの墓地管理者が、子孫に代わってお墓の維持管理と供養を代行してくれる、というものです。
ですから、亡くなった後に子孫の誰の手も、お墓の管理や法要などによって煩わせることはありません。
また仮に子孫がいない人で、自分が亡くなった後、誰が供養してくれるのか不安な場合でも安心して眠ることができます。
ただし1つ理解しておかなければならない点は、「永代供養」は「永久供養」ではないということです。
「永久」というと文字通り、未来永劫、供養を続けるということですが、「永代」供養とは上で書いたように、33年または50年の弔い上げまでしか個人としては供養を行いません。
弔い上げが終わったら、遺骨はほかの人の遺骨と一緒に埋葬され直して、まとめてお盆やお彼岸の供養をされるだけになります。
永代供養と永代使用権は違う
また永代供養に関してはもう1つ似たようなもので、間違いやすい言葉があります。
それが「永代使用」です。一般的には「永代使用権」という言葉として使われます。
永代使用権とは一言でいうとお墓の使用権のことです。
よく勘違いされることですが、「お墓を買う」という言葉は実は正確ではありません。
なぜなら、お墓を取得することはあくまで「お墓の使用権」の取得であって、「お墓の所有権」ではないからです。
つまり、お墓は正確に言えば「買う」ものではなく、賃貸住宅のように「借りる」ものなのです。
ただし賃貸住宅と異なる点は、毎月の賃借料は払わず、永代使用権として一括でお墓の使用権の取得時に払い、そのあとは毎年の管理費を払えば、その管理費を払っている間は、永続的に使用することができるということです。
つまり永代供養は期限があることですが、永代使用権は期限がないことなのです。
永代供養付きの個人墓には何があるか
ここまでの解説でお分かりいただけたように、永代供養の個人墓であれば、亡くなった後に誰の手も煩わせなくて済みます。つまり「おひとりさま」でも自分が亡くなった後のことを心配しなくてよいのです。
ではその永代供養付きの個人墓にはどのようなものがあるのでしょうか。
永代供養付きの個人墓の種類
永代供養付きの個人「墓」というと、よく見かけるような墓地の中に建つ墓石を思い浮かべるかもしれません。
もちろんそのような形の永代供養付きの個人墓もありますが、実はもっと他にたくさん種類があります。具体的には以下の通りです。
樹木葬
樹木葬とは「墓地埋葬法」の認可を受けている墓地内で、1本のシンボルツリーの下に遺骨を埋葬する方法です。
亡くなった後に、遺骨は暗い納骨室の中に閉じ込められることなく、土に還って樹木の栄養となり、自然界の生命の循環の一部になれるということから、この方法を選ぶ人が増えています。
ただしすべての樹木葬が永代供養というわけではありません。
樹木葬とはあくまで埋葬方法の種類の1つなので、亡くなった後の供養方法としては永代供養のものもあれば、遺族が供養を行う通常のお墓のものものあります。
したがって、亡くなった後に、遺族や子孫の手を煩わせない方法を選ぶのであれば、永代供養がついている樹木葬を選ぶ必要があります。
また樹木葬自体を選ぶ人が多いのは、自然に還れるということもさることながら、永代使用権の費用が安いということも理由なっています。もしも自分でゼロからお墓を購入した場合は、150万~300万円の費用が必要です。
しかし個人用の樹木葬であれば、安ければ5万円、高くても50万円程度で手に入ります。
納骨堂
納骨堂とは文字通り、遺骨を納める建築物や施設のことです。
一般的には寺院墓地や霊園などの一画に納骨堂としての建物を設けますが、最近では独立した納骨堂だけの建物が設けられている場合もあります。
その建物の中に、ロッカーのような納骨施設があり、そこに遺骨を埋葬する方式が一般的です。
ただし納骨堂も埋葬法の一種なので、永代供養がついているものとついていないものがあります。
ですから亡くなった後に誰にも迷惑をかけないでおきたい、という人は永代供養付きの納骨堂を選択しましょう。
レンタル墓、有期限墓
最近増えて来ているのがレンタル墓、有期限墓です。これは文字通り、お墓をレンタルし、そこに埋葬される方法です。
レンタル墓、有期限墓は一定期間が終わると、霊園の管理者に返還されますから、実質的には、弔い上げが来たらお墓を返す個人墓と同じことになります。
このレンタル墓、有期限墓が増えて来ている理由は、何といっても費用が安いからということです。
墓地を所有するためには先ほど書いたように150万~300万円の費用が必要ですが、レンタル墓、有期限墓であれば30万円程度で済むのです。
ただしレンタル期間は契約にもよりますが、10年という場合が多いので、弔い上げまでの33年間、あるいは50年間までレンタルし続けるのであれば、10年ごとに契約を更新して新たに費用を支払う必要があります。
またレンタル墓、有期限墓はあくまでお墓の使用料の話です。
したがって、亡くなった後に年忌法要をしてもらいたいのであれば、レンタル契約に永代供養がセットされているお墓を選ぶ必要があります。
永代供養付き墓地
一般的なお墓に永代供養のサービスがセットになっているものもあります。
これを永代供養付き墓地と言います。永代供養付き墓地は、一般的な、遺族が供養を行っているお墓のある墓地の中に並んで設けられ、遺族や子孫が供養を行う代わりに、墓地の管理者が年忌法要を行ってくれるというものです。
永代供養の相場は
永代供養墓にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。
樹木葬の場合
永代供養墓として選ばれるお墓の中で最も多いものが樹木葬です。
樹木葬墓地は一般の墓地の中に樹木葬の専用区画を設けてる場合もあれば、樹木葬だけの霊園という場合もあります。
したがって、立地なども多様なため、費用にも幅があります。
具体的な費用は4万円程度から100万円以上のものまでありますが、平均すると全国相場は50万円程度と考えておけば良いでしょう。
ただし埋葬した場所に石のプレートなどを設置すると追加で費用がかかります。
また一人暮らしの人の場合、家族がペットだけということもあるでしょう。
樹木葬霊園の場合はペットも一緒に埋葬できるところも多いです。
その場合は、ペットの埋葬に対してまた別の費用がかかります。
納骨堂の場合
納骨堂はその埋葬方式によって費用は変わってきます。
最も費用がかからないものは、壁面やパテーションに棚を設けてそこに骨壺を並べるという棚式で、費用的な相場は数万円です。
この形式が、1つ1つ区切られ、扉がついているロッカー式や、仏壇を1軒1軒に対して設けた仏壇式などになるにつれ、高額になります。
費用は30~100万円程度が相場で、仏壇式だと200万円程度かかることがあります。
ただし、仏壇式は家族での利用を前提としていることが多く、1人での利用はそもそも検討する必要がないので、気にしなくても良いでしょう。
夫婦墓でも永代供養墓はある?
ここまで解説した内容は、お墓に1人だけを埋葬する個人墓としての永代供養墓でした。
しかし最近は、結婚しても子供を作らずに夫婦だけで暮らす、というカップルも増えています。
その場合は、自分だけではなく、夫婦2人で亡くなった後も仲良く眠りたい、という希望もあるでしょう。
そのような夫婦だけを埋葬するお墓を「夫婦墓」と言います。
実はこの夫婦墓にも永代供養付きのものがあります。
形式は多くの場合、一般の「~家之墓」と同様に墓地の中に墓石を建てるもので、「~家之墓」の代わりに、夫婦2人の戒名や名前を彫るものです。
この永代供養付きの夫婦墓にすれば、亡くなった後、遺族や子孫がいなくても、墓地の管理者がしっかりと墓地の清掃や管理と年忌法要を行ってくれます。
したがってこの永代供養付きの夫婦墓を選ぶ人も最近では増えているのです。
費用は選ぶお墓にもよりますが、二人区画がある樹木葬やロッカー式の納骨堂であれば、50-80万円程度見ればいいでしょう。
まとめ
生きている間はすべて自分でできても、亡くなった後は必ず誰かに面倒を見てもらわなければなりません。
永代供養墓であれば、その面倒を子孫や遺族に頼らずに済みます。
もしも現在おひとりさまで、亡くなった後のことが心配な場合、あるいは亡くなった後に遺族や子孫の手を煩わせたくないという場合は、この永代供養付きの個人墓を検討してみてはいかがでしょうか。
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