個人墓とは?一人用の永代供養墓の種類・特徴・費用相場を解説

個人墓とは?一人用の永代供養墓の種類・特徴・費用相場を解説

明治以降、日本では墓石を建てて家族が代々引き継いでいくいわゆる「家墓」が普及しましたが、現代ではまた新しい形のお墓が広まりを見せています。
承継を前提としない「永代供養墓」を利用すれば、承継や家に囚われず、自分だけのお墓を持つことができます。
今回の記事では、一人で利用できる「個人墓」について解説します。

なお、個人の土地にお墓がある「個人墓地」については、こちらの記事をご覧ください。
【参考:「個人墓地」について】

近くの永代供養墓を探してみる >>

個人墓(こじんぼ・こじんはか)とは

個人墓とは、一人だけが入るお墓です。
個人墓は、従来のような墓石のお墓の他、樹木葬などの新しいお墓でも見られます。

古くは個人や夫婦ごとにお墓を建てていたので、都立霊園などの歴史の長い墓地に行くと、墓石の個人墓を見ることができます。
一方、現代で個人墓を持とうと思うと、一般的には承継を前提としない「永代供養墓」を探すことになります。

永代供養墓(えいたいくようぼ・えいたいくようはか)とは

永代供養墓とは、お寺などの墓地管理者が、親族に代わって故人を供養してくれるお墓です。
家族で代々お墓を引き継いでいく必要がないので、跡継ぎがいない方やお墓を子どもに引き継ぎたくない方、家族に囚われない自分だけのお墓を持ちたい方などに選ばれています。
従来のような墓石のお墓に永代供養がついていることはまだ珍しく、樹木葬や納骨堂、合葬墓(合祀墓)などが永代供養墓として広く販売されています。

遺骨の個別安置期間に注意

永代供養墓の多くでは、どこかのタイミングで遺骨が合葬されます。
合葬とは、一つのお墓の納骨室に、不特定多数の人の遺骨を納めることです。最初から合葬されるお墓は、「合葬墓(合祀墓)」と言います。
樹木葬や納骨堂などの個別の永代供養墓では、その多くが遺骨の個別安置期間を設けています。
期間の設定は「契約から50年」「最後の納骨から13年」など、墓地やプランによって様々ですが、これを過ぎると、遺骨は合葬墓に移されて供養されます。
将来的に個別のお墓が維持される墓地はごく一部なので、遺骨が他の人と混ざりたくない方は、「永代個別」などのプランを用意している墓地を探しましょう。

永代供養付きの個人墓の費用相場

お墓の形態に関わらず、個別で利用できる一人用のお墓は、10~80万円程度で探すことができます。
別途、生前のみ、あるいは遺骨の個別安置期間分の年間管理費が、3千~1万円程度かかることがあります。

永代供養付きの個人墓の種類と特徴

永代供養付きの個人墓には、次のようなお墓があります。

樹木葬

樹木葬とは、樹木や草花を墓標とするお墓です。土に遺骨を還すタイプと、石の納骨室などに埋葬して土に還らないタイプがあります。後者の場合は、基本的には一定期間後に合祀されます。樹木葬の形態は様々ですが、おおむねどこでも緑豊かな環境で眠ることができます。
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納骨堂

納骨堂とは、屋内に遺骨を安置する施設です。かつては遺骨の一時預かり施設としての性格が強かったのですが、現代では永代供養墓として広く利用されています。どちらかと言えば大人数向きの区画が多く、樹木葬と比べると一人用の区画は探しづらいかもしれません。
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その他の永代供養墓

他にも、各霊園やお寺が独自のコンセプトで販売している永代供養墓があります。オブジェの下や中に遺骨を埋蔵したり、屋外に墓石の集合区画を作ったり、小さなお墓を建てたり、様態は様々です。樹木葬や納骨堂以外の永代供養墓でも、個人区画は多く見つけることができます。近くの永代供養墓を探す >>

個人を供養するその他の方法と費用

個人墓を用意しなくても、一人だけを供養する方法はいくつかあります。
お墓はいらない、費用を抑えたいという方は、こちらもご覧ください。

合葬墓(合祀墓)に納骨する

合葬墓とは、一つの納骨室に血縁など関係なく不特定多数の遺骨を納めるお墓です。「祀る」という宗教的な意味合いを伴って、「合祀墓」とも言われます。
費用は一人あたり3~30万円程度で、お墓の中では最も費用を抑えて利用できます。個人専用の区画ではありませんが、お参りする場所を持つことはできます。近くの合葬墓を探す >>

散骨する

レイセキ:海散華
散骨とは、粉末状に砕いた遺骨を、海や山などの自然環境に撒く葬送の方法です。お墓を持ちたくない、遺骨を自然に還したいという方に選ばれています。
遺骨の粉砕から散骨まですべてを業者に委託すれば、一人あたり3万円程度から依頼できます。家族の手で散骨する場合の費用相場は、10~30万円程度です。
散骨について詳しく >>

送骨する

送骨とは、遺骨を郵送すること、あるいは、寺院や霊園に遺骨を郵送して遺骨を供養してもらうことを言います。
寺院や霊園などに送骨して供養してもらう場合、合祀墓であれば、一人あたり3万円程度から依頼できます。ただし、通常の合祀墓のように、墓前でお参りできないことがあります。また、送骨を受付けている寺院や霊園はそれほど多くなく、希望するエリアにはないかもしれません。送骨について詳しく >>

まとめ

個人墓とは、一人だけで利用するお墓です。
かつてのお墓では一人のために墓石を建てることもありましたが、現代で個人墓をもつ場合は、承継しない「永代供養墓」を選ぶのが現実的です。
永代供養付きの個人墓には、樹木葬や納骨堂があり、その他にも多様な形式の永代供養墓があります。
個人用区画は、おおむね10~80万円程度で探すことができます。別途、年間管理費が3千~1万円程度かかることがあります。
もっと費用を抑えたい方は個人墓にこだわらず、合祀墓や散骨などもおすすめです。

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執筆者情報

お墓さがしスタッフ

佐野

経歴

2018年より、お墓マガジンのコラムを執筆しています。適切な情報をお届けできるよう努めて参ります。