
合祀と永代供養の違いを解説!無縁塚とはどう違う?
お墓について調べるとよく出てくる「合祀」という言葉。
この記事では、合祀という言葉の意味や、その費用とメリット・デメリットについて解説します。
目次
合祀(ごうし)とは、遺骨を他の人のものと合わせて1つのお墓に納骨する供養の方法です。
他の人の遺骨と一緒に埋葬するお墓を、「合葬墓」と言いますが、これに宗教的な意味合いを伴って「合祀墓」と広く呼ばれています。
また、元々は地域で管理する墓地を意味する「共同墓地」という言葉も、合祀墓と同じ意味で使用されることがあります。
合祀墓は墓地の管理者がお墓や遺骨の管理を行うため、承継の必要がないお墓として注目されています。
一方で、骨壺から取り出した焼骨を直接埋葬するものが多く、一度納骨すると後から取り出すことができないというデメリットもあります。
合祀はもとは、神道の用語で、複数の神や霊を合わせて祀るという意味の言葉でした。
しかしそこから広がって、仏教式のお墓で複数の遺骨を合同で埋葬することを合祀と呼ぶようになってきています。
古くから知られている合祀墓は、仏教の浄土真宗や真言宗の「本山納骨」(ほんざんのうこつ)です。
本山納骨は平安時代からの長い歴史のある埋葬方法で、本山とは仏教用語で特別な位置づけにある寺院のことを指します。
本山納骨の始まりは、戦や道中の行き倒れにより命を落とした人やお墓に入れないなどの無縁仏を僧侶が合祀したことからといわれています。
合祀墓が一般に認知され利用され始めたのは30年以上前の1985年といわれます。
その後1999年の「墓地、埋葬等に関する法律」の施行規則の改正により改葬手続きが簡略化されたことをきっかけに、合祀墓の本格的な普及に繋がりました。
合祀とセットで使われる言葉に「永代供養」というものがあります。
合祀と永代供養の違い
合祀は「埋葬方法」、永代供養は「供養方法」です。
基本的にお寺の合祀墓は、永代供養のシステムを採用しています。
お寺にもよりますが、お盆やお彼岸に合同法要という形で、合祀墓に埋葬されている方の供養を行います。
合祀の費用相場は、10万~30万円程度/1体です。
合祀にかかる費用は以下の通りです。
合祀にかかる費用
合祀墓はなんといってもお墓の維持や管理費がないことが最大の特徴です。
格式の高いお寺などでは、1体あたり30万円かかることもありますが、納骨後の費用負担がないことを考えるとむしろお得な価格ではないでしょうか。
合祀の費用をより安く抑えたい方におすすめなのが「送骨(そうこつ)」です。
送骨とは、墓地へ行くことが難しい人向けに考えられたサービスで、その名のとおり遺骨を墓地や霊園へ郵送して納骨してもらう方法です。
概ね3万~5万円で埋葬費と送骨にかかる費用がセットになっていることが多いです。
送骨は一般的に以下の流れで行われます。
送骨を実施しているお寺・霊園は数少ないので、実施している墓地や霊園を調べてみましょう。
送骨に対応したお寺や霊園を一部ご紹介します。
合祀墓では、共同の参拝スペースで墓標に手を合わせてお参りします。
共同の参拝スペースには共同の花立や香炉が設置されているので、そこにお花や線香を供えます。
一般的なお墓とは違い、お供え物を供えることを禁止しているところもありますので、契約前に確認しておきましょう。
合祀墓のメリットとデメリットはどんな所か解説します。
合祀墓は、宗旨や宗派の制約が一般のお墓より少なく、無宗教でも利用できる為自由度が高いです。
また一般のお墓より費用を格段に抑える事ができるので、お墓に費用をかけたくない人にもおすすめです。
生前予約ができるところを選べば費用も前納できるので、家族にお墓の負担を残さずに済みます。
無縁仏にもならないので一人きりではないんだという安心感が強いのも特徴です。
お墓の管理費も費用に含まれているので、お墓の掃除を含むお参り関係に悩むことがないところも魅力です。
他の人と遺骨が混ざる為埋葬したら二度と取り出すことができないので注意が必要です。
利便性を重視した分昔ながらの形式や情緒を重視する人には敬遠されやすい形式なので、事前に相談をして意見の相違がないように配慮が求められます。
合祀をするときに他の人と遺骨が混ざってしまうことに、抵抗を感じる人も少なくありません。
1つのお墓にたくさんの人が祀られているため、お参り時に故人を偲ぶ気持ちが損なわれたと感じることもあるかもしれません。
どのような人がどんな理由で合祀墓を選ぶのでしょうか。
家のお墓がある方でも、お墓に骨壺が入りきらなくなったときは、33回忌を過ぎた遺骨を取り出して合祀墓に移します。
一般的に仏教では、33回忌を過ぎた故人は「ご先祖様」として扱われます。
33年経つと故人は菩薩の道に入り守り神となる、またはどんな罪を犯した人も極楽浄土へ行けるという考え方があるため、33年を区切りとするところが多くあります。
自分のお墓は必要ないと考える人は、一番費用が安いお墓である合祀墓を選ぶ傾向があります。
お墓の跡継ぎのいない単身者や子供にお墓の面倒をかけたくないと考える方が増え、お墓の承継は必要ないという考え方も広まっています。
時代の変化に伴い、お墓のあり方が多様化しているといえます。
金銭的な事情からお墓の費用を抑えたい人は、合祀墓を選ぶ傾向があります。
合祀墓は他のお墓と比べ圧倒的に初期費用が安く、維持費がかからないことがほとんどです。
既にあるお墓を墓じまいして取り出した遺骨の次の納骨先として合祀墓が選ばれることがあります。
墓じまいで遺骨を取り出してみたら、面識のない先祖の遺骨が出てきて、どうしたらいいかわからないといったケースでは特に合祀墓を選ぶ方が多いです。
墓じまいをして遺骨を合祀墓へ移動する場合は、お墓の処分費用も必要になります。
お墓さがしでは、墓じまいの無料見積もりも行っています。
全国のおすすめ合祀墓をご紹介します。
合祀とは、遺骨を他の人のものと合わせて1つのお墓に納骨する埋葬方法の1種です。
お墓にかかる費用を大きく削減でき、維持費の心配もいらない合祀墓ですが、一度納骨すると後から遺骨を取り出すことができないため、合祀墓の選択は周りと相談しながら慎重に進めましょう。
近くに合祀に対応したお寺や霊園がなくても、送骨に対応したお寺や霊園に遺骨を送って納骨してもらうという方法もあります。
予算や希望に合った合祀墓がないか、探してみましょう。
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合祀とは複数人を一緒くたに埋葬することです。合祀墓は墓地の管理者がお墓や遺骨の管理を行うため、承継の必要がないお墓として注目されています。
合祀にかかる費用相場は、10万~30万円程度/1体です。別途納骨手数料(2~5.5万円程度)と彫刻料(2.5万~4万円)が発生する場合もあります。
合祀には「埋葬したら二度と遺骨を取り出せない」「昔ながらの形式を重視する人に理解してもらえない」「他の人と遺骨が混ざる」「お参り時に故人を偲ぶ気持ちが損なわれる」といったデメリットがあります。